『聖なるイチジクの種』2月14日公開
第77回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、先⽇発表された第97回アカデミー賞では国際⻑編映画賞にノミネートされた実話ベースのサスペンススリラー『聖なるイチジクの種』が、2月14日に公開。このたび、警察に逮捕される危険を避けるためリモートで撮影に参加した当時の過酷な状況について明かすモハマド・ラスロフ監督インタビュー映像映像が公開されました。
これまで⼿がけた数々の作品がイラン国家にとって反政府的だとして逮捕・投獄されてきたラズロフ監督。本作撮影時も、いつ警察に踏み込まれスタッフやキャストたちにまで危険が及ぶかわからなかっことから、⾃⾝が現場に⼊れなかったと⾔います。
「近くにいて、オンラインで、撮影⾒ていたことも」「全てが制約に縛られていた」と当時の状況を述べつつ、他、脚本を書くときはいつもこの特殊な事情を考慮しながらストーリーを作っていたことや、ある家のセットの中に、どうしても“独房“のような場所を作りたかった理由のほか、「国境を越え、さまざまなジャンルを融合させることを意識」「批評家から⾮難されるかもしれないと思いながらも私はそれを⼤いに楽しみました、この⾃由さが私には楽しかった」と振り返り、そして「この映画が完成することはないだろうと よく⾃分に⾔い聞かせていました」「だから⾃分の好きなように ⾃由に物語を語るべきだと思いました」と当時の覚悟を明かしています。
結果本作撮影後に、懲役 8 年、鞭打ち、財産没収の実刑判決を受けた監督は、2024 年にイラン国外へ脱出を決意。28 ⽇間かけてカンヌ国際映画祭に⾜を踏み⼊れ本作のプレミアに参加、審査員特別賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
ある日、家庭内で 1 丁の銃が消えた――。
国家公務に従事する⼀家の主・イマンは、20年間に亘る勤勉さと愛国⼼を買われ、夢にまで⾒た予審判事に昇進。しかし業務は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きでした。
報復の危険が付きまとうため、国から家族を守る護⾝⽤の銃が⽀給されますが、ある⽇家庭内から銃が消えます…。
最初はイマンの不始末による紛失だと思われましたが、次第に疑いの⽬は、妻・ナジメ、姉のレズワン、妹・サナの3⼈に向けられます。
誰が︖何のために︖ 捜索が進むにつれ互いの疑⼼暗⻤が家庭を⽀配する。そして家族さえ知らないそれぞれの疑惑が交錯するとき、物語は予想不能に壮絶に狂いだします…。
『聖なるイチジクの種』は、2月14日(金) TOHO シネマズ シャンテほか 全国順次公開。
[作品情報]
監督・脚本:モハマド・ラスロフ カンヌ国際映画祭ある視点部⾨【脚本賞】『ぶれない男』(17)、ベルリン国際映画祭【⾦熊賞】『悪は存在せず』(20)
出演:ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ
2024 年/フランス・ドイツ・イラン/167 分
配給:ギャガ
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