劇場アニメ『ベルサイユのばら』公開中
池田理代子「ベルサイユのばら」の完全新作劇場アニメが公開中。このたび、マリー・アントワネット&フェルゼンの交差する切ない愛が詰まった本編映像が公開されました。
公開された映像では、マリー・アントワネット(CV.平野綾)、フェルゼン(CV.加藤和樹)が歌うデュエット『Resonance of Love』に乗せて、⼆⼈が抗えぬ想いに導かれるように恋へと落ちていく姿が描かれています。
舞踏会の幻想的なひととき、密やかに交わされる視線、そして胸を締め付ける切ない表情…そのすべてが壮⼤な⾳楽と響き合い、⼼を揺さぶる内容となっています。
彩⾵咲奈インタビュー

昨年、宝塚歌劇にて公演された「ベルサイユのばらーフェルゼン編ー」でフェルゼン役を演じ、10 ⽉ 13 ⽇の千秋楽をもって宝塚歌劇団を退団した元雪組トップスター・彩⾵咲奈の『ベルばら』愛溢れるスペシャルインタビューも公開されました。
――「ベルサイユのばら」は原作の漫画に加え、宝塚歌劇やアニメなど、さまざまな形で親しまれていますが、彩⾵さんが最初に「ベルばら」と出会ったのはいつだったのでしょうか︖
私が「ベルサイユのばら」と出会ったのは、宝塚歌劇でした。⼩学 6 年⽣の時に、中学校へ上がる前にテレビで観たのが最初です。その舞台をきっかけに、宝塚に⼊りたいと思うようになりました。当時、オスカルを演じていらした、彩輝なおさんの姿があまりにも美しく、そのオスカルに魅了され、彩輝さんのファンになりました。当時はビデオで録画していたのですが、それこそ擦り切れるほど繰り返し観ていました。そして、その時に「絶対に宝塚に⼊ろう」と強く決意しました。
――彩⾵さんにとっての「ベルサイユのばら」の魅⼒とは︖
まず最初に、「美しい」という⾔葉が思い浮かびます。⼩学⽣だった当時、こんなに華やかで美しい世界があるんだと衝撃を受けたことを今でも覚えています。⾐装もそうですし、舞台セットもそう。まさにすべてにおいて「美しい」と感じていました。
――今回の劇場アニメ『ベルサイユのばら」をご覧になった感想をお聞かせください。
すごく懐かしさを感じると同時に、新鮮さもあり、衝撃を受けました。歌を使った演出もとても斬新でしたね。⾃分の好きなキャラクターたちそれぞれが、⾃分の⼼情を歌に乗せてお届けするという表現が、とても素敵だなと思いました。なかでも、仮⾯舞踏会の場⾯が本当にすばらしかったですね。宮廷の場⾯での⾳楽と、パリの街での仮⾯舞踏会の⾳楽がまた違うところもすごく印象的で。しかもあそこがマリー・アントワネットとフェルゼンとの出会いの場となるわけなので特に⼼を動かされました。わたしはやはりどうしてもフェルゼン⽬線で⾒てしまうんですよね(笑)。
――これからご覧になる⽅のために、彩⾵さんなりの注⽬ポイントを教えてください。
わたしが特に印象に残ったのは、オスカルやアントワネットの背景に、花がパーッと咲き誇り、美しくちりばめられているシーンですね。アントワネットとフェルゼンのシーンでも花が咲き誇っていましたし、それぞれのシーンにおける花の、特にバラの使い⽅が素敵だなと思うので、そこは注⽬ポイントかなと思います。やはり華やかですし、これを舞台で表現するのは難しい。アニメーションならではの表現だなと思いました。
――彩⾵さんはもともとオスカルに憧れをお持ちだったと伺いましたが、その魅⼒や好きなところについて教えてください。そして、フェルゼン役を経験した今はどうでしょうか︖
やはり唯⼀無⼆のキャラクターであるところですね。⼥性として⽣まれながらも男性として育てられるという⽣き⽅に、最初は強く惹かれました。わたしも「オスカルになりたい」と思っていましたし、⾔ってしまえば宝塚の男役のような存在ですからね。だからこそ宝塚に⼊った当初、まだいろんな役をさせていただく前は、ずっと「オスカルのような男役になりたい」と思い続けていました。研究科 7 年⽣の時の新⼈公演でフェルゼンを演じた時に、⾃分が持っている雰囲気などからも、「わたしはオスカルではないな」と思ったんです。もちろんオスカルを演じてみたい、挑戦してみたいという思いもありましたが、フェルゼンを演じた時に「これだったんだ」としっくりくるものがありました。
――「ベルサイユのばら」に出演することには、⼤きなプレッシャーもあったのではないでしょうか︖
最初は「ベルサイユのばら」に出演できたことがただ幸せで。パレードで歌っていた時には両親への感謝の気持ちが込み上げてきて、「わたしはこれがやりたくて宝塚に⼊ったんだ」と強く実感しました。新⼈公演に挑戦した時も、もちろん本役の壮 ⼀帆さんをお⼿本にはしていたんですが、それでもやはり⼩さい頃に憧れていた作品に⾃分がいるという思いがあり、⾃分の理想みたいなものがありました。ただこの時はただただ必死に、⼤きな課題にぶつかっていったという感覚でした。でもその後に、卒業公演でもう⼀度フェルゼンを演じた時には、新⼈公演で演じた時以上のこだわりとプレッシャーと理想が膨らんでいました。なので稽古場では“これはわたしが思い描いてるフェルゼンじゃない”“⾃分がそこに到達できていない”ということにすごくいら⽴ちを感じていました。それは⾃分の卒業公演だということよりも、やはり伝統ある「ベルサイユのばら」という作品をすばらしいものにしたい、最⾼のものにしたいという思いでいっぱいだったんです。卒業を忘れるほどに、この役と作品にのめり込んでいました。
――彩⾵さんにとって「ベルサイユのばら」とはどんな存在ですか︖
わたしは「ベルサイユのばら」に導かれているんだと。ご縁を感じています。「ベルサイユのばら」は、私にとって夢の原点であり、この作品がなかったら宝塚に⼊っていなかったかもしれません。それはわたしだけでなく、宝塚にかかわるすべての⼈たちにとっても同じ思いだと思います。実際、わたしの⺟も原作の「ベルサイユのばら」の⼤ファンでしたから。そうやって宝塚以外でもずっと受け継がれているということが素晴らしいことだと思います。
――この映画の「気⾼く、ひたすらに、愛した」というキャッチコピーにちなみ、彩⾵さんがひたすらに愛してるもの、好きなものは何ですか︖
辞めてからあらためて思ったんですけど、ひたすらに愛してるものは宝塚です。⾃宅で(宝塚歌劇専⾨チャンネルの)「タカラヅカ・スカイ・ステージ」に⼊っていて。気付いたらひたすら「スカイ・ステージ」を⾒ていて。わたしはどれだけ宝塚が好きなんだと思ってしまいますが(笑)。⾃分の作品はあまり⾒ないんですが、昔の作品がやっているとついつい⾒てしまいますし、この間の朝美 絢のお披露⽬公演を観に⾏った時も、やっぱり宝塚っていいな、雪組っていいなと思ったので。だからこれからは宝塚ファンの先頭に⽴っていきたいなと思っています(笑)。
18世紀ベルサイユを気高く生きた4人の物語
将軍家の跡取りで、“息子”として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。隣国オーストリアから嫁いできた気高く優美な王妃マリー・アントワネット。オスカルの従者で幼なじみの平民アンドレ・グランディエ。容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン。
彼らは栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会い、時代に翻弄されながらも、それぞれの運命を美しく生きていきます。
劇場アニメ『ベルサイユのばら』は、1月31日(金)全国ロードショー。
[作品情報]
劇場アニメ『ベルサイユのばら』
■原作:池田理代子
■STAFF:
監督:吉村 愛
脚本:金春智子
キャラクターデザイン:岡 真里子
音楽プロデューサー:澤野弘之
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO
アニメーション制作:MAPPA
製作:劇場アニメベルサイユのばら製作委員会
配給:TOHO NEXT、エイベックス・ピクチャーズ
■後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
■CAST:
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ︓沢城みゆき
マリー・アントワネット︓平野 綾
アンドレ・グランディエ︓豊永利⾏
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン︓加藤和樹
アラン・ド・ソワソン︓武内駿輔
フローリアン・ド・ジェローデル︓江⼝拓也
ベルナール・シャトレ︓⼊野⾃由
ルイ 16 世:落合福嗣
ジャルジェ将軍:銀河万丈
マロン・グラッセ・モンブラン:⽥中真⼸
ノアイユ夫⼈︓平野 ⽂
ルイ 15 世︓⼤塚芳忠
ロザリー︓早⾒沙織
ダグー⼤佐︓⼭野井仁
ブイエ将軍︓⼤塚明夫
ジャルジェ夫⼈︓島本須美
ロベスピエール︓⼩野賢章
ナレーション︓⿊⽊ 瞳
■主題歌︓絢⾹『Versailles - ベルサイユ - 』
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Ⓒ池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
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