第37回東京国際映画祭 閉幕
10月28日より開催された第37回東京国際映画祭が、11月6日(水)に閉幕。クロージングセレモニーと受賞者記者会見が行われました。
セレモニーでは、各部門の審査委員より受賞作品の発表・授与が行われました。
主演男優賞は長塚京三、最優秀監督賞に吉田大八、東京グランプリ/東京都知事賞に吉田大八監督の『敵』と3冠を達成。審査委員長トニー・レオンよりトロフィーを授与されました。日本映画がグランプリに輝くのは第18回の根岸吉太郎監督作『雪に願うこと』以来19年ぶりの快挙です。
主演女優賞は『トラフィック』のアナマリア・ヴァルトロメイ、審査員特別賞は『アディオス・アミーゴ』、最優秀芸術貢献賞は『わが友アンド
レ』、観客賞は『小さな私』がそれぞれ受賞しました。
クロージングセレモニーコメント
アジアの未来作品賞受賞 『昼のアポロン 夜のアテネ』 エミネ・ユルドゥルム監督は、次のようにコメントしています。
「東京国際映画祭でこのような賞をいただけて、とても光栄です。審査員の皆様、観客の皆様、そしてこの作品の制作に関わったスタッフに感謝を伝えたいです」
コンペティション観客賞受賞 『小さな私』 ヤン・リーナー監督は、次のようにコメントしています。
「この映画の持つ物語が最終的に皆さんの心に刺さることがあればいいなと思います。皆さんの映画に対する愛に感謝します。この作品は障害を持つ青年の成長を描いた作品ですが、主人公は普通の人間です。映画の製作に関わったすべてのクリエイターに感謝したいです」
最優秀芸術貢献賞受賞 『わが友アンドレ』 ドン・ズージェン監督は、次のようにコメントしています。
「この場を借りてこの作品に関わったスタッフの皆さんに心から感謝を申し上げたい。この映画は私のデビュー作ですが、周りの友人たちとともに作り上げました。劇中に大雪の場面があったと思いますが、私の心の中の悩みや暗い気持ちを覆ってしまうような気がしていましたが、雪はいつか溶けて太陽があらわれる。希望に満ちているんです。これからも努力していい映画を作っていきたい」
最優秀男優賞受賞 『敵』 長塚京三は、次のようにコメントしています。
「ちょっとビックリして、まごまごしています。『敵』という映画は、年を取って一人ぼっちで助けもない。そして敵に閉じ込められるという内容で。でもこういう場に立たせてもらい、結構味方もいるんじゃないかと気を強く持ちました。ボチボチ、引退かなと思っていたので、奥さんはガッカリするでしょうけど、もう少し、この世界でやってみようかな。東京国際映画祭、ありがとう。味方でいてくれた皆さん、ありがとう」
最優秀女優賞受賞 『トラフィック』 アナマリア・ヴァルトロメイは、次のようにコメントしています。
「なんという驚きでしょう。この賞をいただけて感謝と光栄の気持ちでいっぱいです。テオドラ、協力的で繊細な監督でいてくれて、私をこの作品の一員にしてくれてありがとう。この賞をすべての仲間と共有したいと思います。審査委員長のトニー・レオンさん、あなたは唯一無二の存在で生ける伝説です。私が演じたナタリアはあまり語らず目で多くを表現します。あなたこそが目で語る男と呼ばれる方ですから。他でもないあなたからの賞賛で私の喜びは爆発しそうです」
最優秀監督賞 『敵』 吉田大八監督は、次のようにコメントしています。
「この小さな映画を誕生から旅立ちまで見届けてくれてスタッフや俳優の皆さんに感謝しています。私自身がいい監督であるかはわかりませんが、この映画がいい映画になったことは確かです。ありがとうございました」
審査員特別賞受賞 『アディオス・アミーゴ』 イバン・D・ガオナ監督は、次のようにコメントしています。
「素晴らしい賞をありがとうございました。私たちは世界一周するほど遠いコロンビアから来ました。東京国際映画祭の皆さま、光栄です。本当にありがとうございます」
東京グランプリ/東京都知事賞受賞『敵』 吉田大八監督は、次のようにコメントしています。
「審査員の皆さま、ありがとうございます。10日間映画祭を支えたスタッフの皆さまもありがとうございます。私自身もこの映画祭で多くの映画を観ることができました。味方は意外と多いことに気づけて良かったです。僕も長塚さんも皆さんの敵であり、味方でいたいと思います。これからも映画をよろしくお願いします」
[各賞受賞作品・受賞者]
コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞 『敵』(日本)
審査員特別賞 『アディオス・アミーゴ』(コロンビア)
最優秀監督賞 吉田大八監督(『敵』、日本)
最優秀女優賞 アナマリア・ヴァルトロメイ(『トラフィック』、ルーマニア/ベルギー/オランダ)
最優秀男優賞 長塚京三(『敵』、日本)
最優秀芸術貢献賞 『わが友アンドレ』(中国)
観客賞 『小さな私』(中国)
アジアの未来 作品賞 『昼のアポロン 夜のアテネ』(トルコ)
東京国際映画祭 エシカル・フィルム賞 『ダホメ』(ベナン/セネガル/フランス)
黒澤明賞 三宅唱、フー・ティエンユー
特別功労賞 タル・ベーラ
[開催概要]
第37回東京国際映画祭 クロージングセレモニー
■開催日:11月6日(水)17:00-18:30
■会場:TOHO シネマズ日比谷 スクリーン 12
■登壇者 :
各賞受賞者:
アジアの未来部門 審査委員:ニア・ディナタ、山下宏洋、横浜聡子
コンペティション部門国際審査委員長:トニー・レオン
コンペティション部門国際審査委員: エニェディ・イルディコー、橋本愛、キアラ・マストロヤンニ、ジョニー・トー
クロージング作品『マルチェロ・ミオ』:キアラ・マストロヤンニ
ゲスト:東京都副知事 松本明子、安藤裕康チェアマン
公式サイト:www.tiff-jp.net
コピーライト:©2024 TIFF
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