『チネチッタで会いましょう』11月22日公開
カンヌ・ヴェベチア・ベルリン3大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に8作品連続選出のナンニ・モレッティ監督最新作『チネチッタで会いましょう』が、11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開。本稿では、モレッティ監督の映画愛について紹介します。
本作は、モレッティ監督が大好きなフェリーニ作品『甘い生活』や『8 2/1』、タヴィアーニ兄弟、キェシロフスキからスコセッシ監督まで映画へのオマージュを交えながらところどころに自身の過去作品を引用し、映画への敬意と愛に溢れた作品に仕上がっています。
モレッティ監督は、「自分は監督であると同時にプロデューサー、俳優、観客、映画館の経営者です。だからこそ、映画についての映画を撮りたかった。主人公のジョヴァンニの映画には誰も興味がないかもしれないが、彼は映画に対しての情熱がある。そこを描きたかった」と本作を製作するに至った経緯について語っています。
パンデミックを経て映画館の入場者数減少が叫ばれる中、「映画には、私たちに明るさと幸せになりたいという気持ちを再発見させる魔法の力がある。どんなことがあっても。私は映画の力を信じ続ける」と映画愛について熱くメッセージを寄せています。
自身を投影した主人公ジョヴァンニが直面するストリーミング・プラットフォームNetflixについても、モレッティ監督ならではの視点で描かれるユーモアあふれるシーンは必見。
第37回東京国際映画祭にてモレッティ監督作の特集上映も行われます。
順風満帆が一転!痛い目に遭って大切な人に気づく
イタリアの映画監督ジャンニは、チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控えています。プロデューサーの妻が40年いつも傍にいて映画を制作してきました。頭の中は新しい映画のアイディアでいっぱいと順調だと思っていたのはジャンニだけでした!
女優はカサヴェテスを持ち出し演出に口出し、あろうことか政治映画をラブストーリーだと言い出す始末。若い俳優のトンチンカンな発言にはあきれ言葉を失います。娘が紹介してくれたボーイフレンドは自分ほどの年齢の男性だとのこと。あらゆることに腹がたち戸惑うばかり。
誰にも理解されず一人帰宅し目覚めると、妻に別れを告げられてしまいます。さらに仏のプロデューサーは詐欺師とわかり、資金が枯渇し撮影はストップ。地位も築き尊敬されていたはずなのに・・・。妻も娘も愛しているのに・・・。
果たして映画は完成するのか?そして、愛するものたちとの関係を修復することはできるのか?
まさにナンニ・モレッティ集大成とも言える『チネチッタで会いましょう』は11月22日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。
[作品情報]
『チネチッタで会いましょう』
原題:Il sol dell’avvenire
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ、ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
2023 年/イタリア・フランス/96 分/ヴィスタサイズ
日本語字幕:関口英子
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
配給:チャイルド・フィルム https://child-film.com/cinecitta
© 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma
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