セイコーウオッチ、「からくりの森2024」3回目はよりコンセプチュアルに進化

「からくりの森2024」開催中

セイコーウオッチは、機械式腕時計の特性と魅力を伝える展覧会「からくりの森」を、東京・原宿の「Seiko Seed」で12月8日まで開催中です。

毎年恒例となった「からくりの森」は、10月18日より開催される「デザイナートトーキョー」と連動して開催されるため、技術的展示というより、概念的なものとなっています。また、今回が3回目ということもあり、人間の英知とロマンが凝縮された機械式時計の魅力をよりコンセプチュアルに伝えるものに進化。観ているだけでも楽しいが、時の流れについてどう解釈し、表現するか、クリエーターの発想力とストーリー構成力が試されるものとなりました。

小松宏誠「森のリズム」

吊られている200ほどの“森のかけら“は、グランドセイコーの機械式時計を製造する盛岡セイコー工業の雫石工房に小松が2回訪問したときに拾い集めたもの。それらはすべて1分に1秒という同じ周期で撚られたゴムに吊されているのに、ゴムの長さや吊しているモノによって多彩な動作をすることを通じて、機械式時計の仕組みから受けた感動を表現しています。

小松宏誠「ばねの羽根」

吊すものを作って20年になるという小松が、「動力ぜんまい」と「しなやかなバネの動き」にインスピレーションを受けて制作したモービル。和紙にコーティングし少しねじった連続体が下からの僅かな風を受けてまるで連続写真のように動きます。2つのモービルが絶妙なバランスを保ちながら動作することで、小さな機械式時計の中で起こっている繊細な世界を表現しています。

SPLINE DESIGN HUB+siro「時の足音」

楽しい時間はあっという間に過ぎるのに、退屈な時間は長く感じるのはなぜ?それを対比的に表現した作品。ロボットが歩幅を10パターン変えながら、しかし一定の速度で周回していきます。

siro「時の囁き」

機械式時計から感じとった、宇宙に対して抱くような“ロマン”が動機となり、「機械式時計そのものをもっと見てもらおう」と作品化。事前に収録した映像を投写しているのではなく、すべてがアナログの生映像。LEDで投射した光を磨き上げたレンズで詳らかに拡大投写し、職人の手仕事を“見える化”しています。

セイコーウオッチデザイナー「時の鼓動」

機械式時計の音とてんぷの動きの魅力を人間大に拡大して表現した作品。クリアなボウルではより音が響く振動板をチョイス、乳白色のボウルにはてんぷの影が月の満ち欠けのように映って見えます。

セイコーウオッチデザイナー「回遊する時」

機械式時計のムーヴメント自体の動力をプレーンに表現した作品。あるときリューズがぷるぷる震えているのを発見し、機械式時計にも自意識があるのでは?脚を与えてみたらどうだろうと着想したそう。眺めていると確かに水辺に浮かんでいるカエルのようでかわいらしい。

[開催概要]

「からくりの森2024」

会期:10月11日〜12月8日 11時〜20時(水曜のみ14時〜)

会場:Seiko Seed 東京都渋谷区神宮前1-14-30WITH HARAJUKU 1F

主催:セイコーウオッチ

プロデューサー:桐山登士樹(TRUNK)