『リトル・ワンダーズ』10月25日公開
「究極のこども映画を作りたい」という発想から生まれた、スパイごっこやボードゲームの延長線上で創り上げられたネオ・アドベンチャー映画『リトル・ワンダーズ』が、10月25日公開。このたび、先行上映が行われ、舞台挨拶にウェストン・ラズリー監督が登壇しました。
ラズリー監督は美大出身で、数ある表現方法のなかで「映画」を選んだ理由について、次のようにコメントしています。
「映画作りは色々なメディアを擁している。大学で学んだグラフィックも活かせると思った。監督って職業は、僕が小さい頃は無知だったせいで、タイトルから衣装から、全部自分で作っているんだと思ってた、というのもあるんだけどね」
ラズリー監督は、俳優として出演もしています。
「最初は自分の出演はイメージになかったけど、小さい頃から演劇にハマってたから一つの世界観をつくりだす最後のピースが、自分が出演することなのかも」
15mmフィルムでの撮影にこだわっています。その理由については次のようにコメントしています。
「フィルムが大好きなんだ、様式や世界観をフェイクでなく感じてもらうにはフィルムがいちばんだと思った。シェフが最高の材料で最高の料理を作るように、最高の素材で撮ることで最高の映画を撮れるなら使わない手はないよね」
子どもたちへの演技指導で工夫したことは?との質問に次のように答えています。
「一番楽しんでいたのは子供たちでした。彼らは好奇心旺盛で、テイク2をすぐやりたくてもすぐ小道具やカメラに夢中になってどこかに行っちゃうので、ポイント制を導入しました。例えば、元の場所戻るのが一番早かった子にはポイントをあげる、ポイントを貯めた子にはプレゼントをあげる、というふうに。でもポイント欲しさにカットかかる前に元の位置に戻ってしまう子もいましたけどね」
呪術や魔女の子が出てくるというアイデアはどこからきたのかについては次のようにコメントしています。
「魔法というアイデアは後から入れたんだ。アメリカでは、映画プロットを3幕仕立てにすることが多く、3幕目をどうしようか、と考えた時に「魔法を使おう」と思いついたんだ。でもヤバイい力だから、使いすぎないように気をつけたよ」
来場者には、監督の作品を初期の短編からすべて見ているという人がおり、監督の制作過程について教えて欲しいと問われ、次のようにコメントしています。
「スケールのでかい質問だな…作品によって変わるけど、短編は若い頃、キャンプに行く時にカメラと衣装を持っていってその場で撮影という迅速な方法だったんだ。今回のはキャラクターから描き始めたよ」
ブルーベリーパイは日本ではそれほど普及しているものではないが、なぜブルーベリーパイを出したかについては、次のようにコメントしています。
「僕はパイが好きで、中でも1番ブルーベリーパイが好きなんだ。スーパークラシックアメリカンなものだよね。赤ずきんちゃんが森に入る時に持っていくようなイメージさ。アップルパイは一般的すぎるしチェリーパイはツインピークスにとられちゃったからね! 今回、日本橋の「sweetie shop GRANDPA」でも映画のレシピに沿ったものを作ってもらったんだ!」
子供たちがバイクに乗るシーンは練習させたのかという質問には次のようにコメントしています。
「運の良いことに3人のうち男子2人はダートバイクを持ってる子だったので指導はいらなかった。アリスは初めてだったので練習させたけど、オープニングで3人がバイクを乗り回すシーンはスタントだよ」
インスピレーションを受けた映画については、次のように明かしています。
「『グーニーズ』は好きだし、はみ出しものと大人たちの組み合わせが共通しているけど、『リトル・ワンダーズ』のインスピレーション源はグリム童話や英国のおとぎばなし、昔のアニメ(監督は「ヴィンテージ・アニメ」と表現)、たとえば「未来少年コナン」や「ドラゴンボール」、あとは黒澤明監督作品だよ」
何と、3人が乗るバイクのメーカー名はAkizuki(『隠し砦の三悪人』の秋月家から)だそうです。
悪ガキ3人組が魔女の娘と大冒険
悪ガキ3人組「不死身のワニ団」アリス(フィービー・フェロ)、ヘイゼル(チャーリー・ストーバー)、ジョディ(スカイラー・ピーターズは大の仲良し。
ある日、ゲームで遊ぶ代わりとして、ママの大好きなブルーベリーパイを手に入れに行くも、必要な卵を謎の男(チャールズ・ハルフォード)に横取りされます。
奪い返すために男を追いかけた 3 人は、魔女(リオ・ティプトン)率いる謎の集団“魔法の剣一味”に遭遇し、怪しい企みに巻き込まれてしまいます。
森で出会った、魔女の娘ペタル(ローレライ・モート)を仲間に、悪い大人に立ち向かう4人。果たしてこどもたちの運命は?無事にパイを手に入れ、ゲームをプレイできるのか…!?
『リトル・ワンダーズ』は10月25日より新宿武蔵野館ほか全国公開。
[作品情報]
『リトル・ワンダーズ』
原題:RIDDLE OF FIRE
脚本・監督・製作:ウェストン・ラズーリ
出演:リオ・ティプトン、チャールズ・ハルフォード、スカイラー・ピーターズ、フィービー・フェロ、ローレライ・モート、チャーリー・ストーバー
2023年|アメリカ|5.1ch|シネマスコープ|英語|114 分|字幕翻訳:髙橋彩
配給:クロックワークス|PG12
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公式 X:@klockworxinfo
公式サイト:https://klockworx.com/littlewonders
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