『チネチッタで会いましょう』11月22日公開
カンヌ・ヴェベチア・ベルリン3大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に8作品連続選出のナンニ・モレッティ監督最新作『チネチッタで会いましょう』が、11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開。この秋開催の第37回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で、本作を含むナンニ・モレッティ監督の3作品が特集上映されます。
東京国際映画祭で上映される1つめは、最新作『チネチッタで会いましょう』(11月22日公開)。時代の変化についていけず、真ん中にいると思っていたらはみ出してしまっていた映画監督が、失意の後に大切なことに気づくというヒューマンドラマ。
フェリーニやキェシロフスキ、スコセッシなど映画へのオマージュを交えながらところどころに自身の過去作品を引用して、変化の激しい世界 に適応することの難しさをユーモラスに描きだします。
『赤いシュート』(1989)は、イタリア共産党員の若き指導者で名門水球チームの選手でもあるミケーレの人間回復の物語。シチリアで行われた水球の選手権に向かう途中に遭った交通事故が原因で、軽い記憶喪失に陥ってしまったミケーレは、母親に愛されていた子供の頃の情景だけ鮮明に思い出せる一方、その他のことは不鮮明。混乱した記憶と理解できないことだらけのまま試合に出場し、自分自身が認識できない現実を再確認することで失われた記憶を取り戻そうとするのですが・・・。
『親愛なる日記』(1993)は、映画監督の親密でおかしくてちょっと辛辣な3章からなる映像日記。気ままにベスパを走らせ観光ガイドにはのっていないローマ人ならではの愉快なローマ案内を映し出す第1章「ベスパに乗って」、ユリシーズ研究者の友人を訪ねてエオリエ諸島のリパリ島に向かうも喧騒にあい2人はリパリ島からサリーナ島に向かうがそこにも問題が・・・エオリエ諸島を巡ることになる第2章「島めぐり」、突然襲われた激しいかゆみのために皮膚科を受診し治療に励むもののひどくなる一方で、皮膚学界のプリンスや民間療法など様々な治療を試すも最後に衝撃的な診断が下される第3章「医者巡り」で構成。ローマをベスパというスクーターでめぐる姿が印象的で、第47回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、カイエ・デュ・シネマ誌年間ベストワンに選ばれました。
東京国際映画祭のプログラミング・ディレクター市山尚三は次のようにコメントしています。
「パーソナルな題材を映画に昇華し、若くして国際映画祭の寵児となったナンニ・モレッティは、70歳を越えた現在に至っても、新進監督のような軽やかな映画を作り続けています。長いこと日本では見ることができなかった初期の代表作『赤いシュート』を含む3作品、是非ともお楽しみください」
[第37回東京国際映画祭 開催概要]
■開催期間:10月28日(月)〜11月6日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net
順風満帆が一転!痛い目に遭って大切な人に気づく
イタリアの映画監督ジャンニは、チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控えています。プロデューサーの妻が40年いつも傍にいて映画を制作してきました。頭の中は新しい映画のアイディアでいっぱいと順調だと思っていたのはジャンニだけでした!
女優はカサヴェテスを持ち出し演出に口出し、あろうことか政治映画をラブストーリーだと言い出す始末。若い俳優のトンチンカンな発言にはあきれ言葉を失います。娘が紹介してくれたボーイフレンドは自分ほどの年齢の男性だとのこと。あらゆることに腹がたち戸惑うばかり。
誰にも理解されず一人帰宅し目覚めると、妻に別れを告げられてしまいます。さらに仏のプロデューサーは詐欺師とわかり、資金が枯渇し撮影はストップ。地位も築き尊敬されていたはずなのに・・・。妻も娘も愛しているのに・・・。
果たして映画は完成するのか?そして、愛するものたちとの関係を修復することはできるのか?
まさにナンニ・モレッティ集大成とも言える『チネチッタで会いましょう』は11月22日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。
[作品情報]
『チネチッタで会いましょう』
原題:Il sol dell’avvenire
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ、ナンニ・モレッティ、フェデリカ・ポントレモーリ、ヴァリア・サンテッラ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック
2023 年/イタリア・フランス/96 分/ヴィスタサイズ
日本語字幕:関口英子
後援:イタリア大使館
特別協力:イタリア文化会館
配給:チャイルド・フィルム https://child-film.com/cinecitta
© 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma
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