河合優実、「私はプロクラスティネーター」『ナミビアの砂漠』ジャパンプレミア

『ナミビアの砂漠』9月6日公開

第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞で女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子監督、主演・河合優実の映画『ナミビアの砂漠』が、9月6日公開。このたび、ジャパンプレミアイベントが開催されました。

8月22日に都内映画館で実施されたジャパンプレミアイベントには、主演の河合優実、共演の金子大地、寛一郎、そして山中瑶子監督が出席。

 

浮遊するように東京で生きる主人公カナを演じた河合は、満員御礼の会場を前に「本当に本当に皆さんにこの映画を見てもらえることが楽しみで待ちきれない作品でした。この日を無事に迎えられて、お一人お一人に作品を届けられることに嬉しい気持ちがあります」と感慨無量の様子で挨拶しました。

 

日本人監督だけでも青山真治監督、黒沢清監督、濱口竜介監督ら錚々たる面々が受賞してきた国際映画批評家連盟賞を受賞した山中監督は、「映画が好きで監督を目指していた時に見て影響を受けたり圧倒されたりした映画たちが受賞してきているので…受賞以来ずっとピンときていないです。でも今日こうして多くの方々に作品を見てもらえれば実感できると思います」と照れ笑い。

 

登壇メンバー全員が映画祭に参加したことは既報の通りですが、寛一郎は「受賞の際はグループLINEに大量のメッセージが飛び交っていた。時差があったから僕は眠かった。でも非常に素晴らしい事です」と祝福。

 

河合は「カンヌにみんなで行けたことで、撮影前よりも仲が深まったと思う。上映も観客の皆さんの反応がダイレクトに伝わってきたので、自分たちが面白いと思って作った作品が海を越えても伝わるんだと驚いたし嬉しかった」と喜色満面。

 

海外映画祭初参加という金子は「もう最高でした!海外の映画祭は初めてだったので贅沢だなと。僕は完全に浮かれていました」とハイテンションでした。

 

河合は、高校時代、河合は映画館で観た山中監督の『あみこ』に感銘を受け、女優になる事やキャスティングして欲しい旨をしたためた手紙を山中監督に渡しており、今回念願の初タッグに「そこから5年くらい山中監督とは一度もお会いすることはなかったけれど、今回一緒に映画が作れる事になって…。当時の自分に伝えたらビックリするだろうと思います」としみじみ。

 

山中監督も「この5年間で河合さんの事を映画などで見かけるようになって、あの約束はまだ効いているのかなと。かなりお待たせしてしまいましたが、脚本を書く前の段階から河合さんの存在には背中を押されていたので、“感無量”という言葉を今初めて使いたい気持ちです」と相思相愛を表すと、河合も「良かったです、どちらかが忘れているとかではなくて相思相愛で」とはにかんでいました。

 

カナの恋人でクリエイターのハヤシを演じた金子。役柄について聞かれると「自分がどの役を演じるのかわからない段階で台本を読んでいたときは、勝手に退屈な男・ホンダをやるものだと思っていました。人間味があるというか共感できたから」と明かしました。

 

そんなカナの同棲相手・ホンダを演じた寛一郎は「映画をご覧になる前だとわからないと思いますが、映画を見終わった後に彼の言った『共感できる』という発言が面白いことだとわかるはず」と予告。そんな寛一郎は演じたホンダについて「ホンダの退屈な男という設定は僕から来たのではないかと思います。ホンダから退屈さが出た所以は僕にあると思う」と共感を寄せていました。

 

一方、河合は演じたカナについて「人の話を聞いていないところ」に共感したと明かすと、山中監督は「脚本を書く前にヒントを得たくて河合さんに『自分の嫌なところはありますか?』と聞いたら『人の話をたまに聞いていない』と言われた」と河合のパーソナルな部分を役柄に反映させたと告白。山中監督から「でも河合さんが聞いていないとは周りの人は気づかないはず」と指摘された河合は「そうですね…。聞いているかのような顔をしてたまに聞いていないところがあります」と認めていました。

 

フリップトークのコーナーでは、自分自身にキャッチコピーをつけることに。

 

金子は「陽気な小心者」と自己分析し「人前でふざけるのが好きだけれど、大人数の前に立つとビビる」と解説。

 

しかしこれに寛一郎は「小心者だとは思わない」、河合も「まったくそうは思わない」と否定し、金子を「それを言ってほしくて書いた、みたいに思われない?」と困惑しきり。

 

寛一郎は「天邪鬼でわがままな飽き性」と分析。これに金子は「寛ちゃんは色々と考えているのでお兄ちゃんみたい」と言い、河合も「我儘なところは見たことがない」と不思議がっていました。

 

一方、河合は「プロクラスティネーター」と聞き慣れない横文字で発表。寛一郎に「はい?プラズマクラスター?」といじられる中、河合は「最近家族に教えてもらった言葉で、先延ばし癖のある人の事をそう呼ぶそうです。横文字なのでキャッチコピー風にしちゃいました」と解説。

 

これに寛一郎と金子が「だったら俺もプロクラスティネーターだ」と自らの属性も同じだと主張すると、山中監督も「私が一番そうかもしれない。だってずっと脚本を待たせていたわけですからね」と言い、全員がプロクラスティネーターを自称する展開となりました。

 

最後に河合は観客に次のように呼びかけました。

 

「私にとって『ナミビアの砂漠』は思い入れのある作品で、スタッフ・キャスト全員も作品への愛が強くてみんなで楽しく自由に作りました。そんな作品を多くの皆さんに見ていただけるのは幸運なことだと思います。皆さんには心をまっさらにしてもらって、それぞれの楽しみ方で見ていただければ、ビックリしていただけると思います。上映を楽しんでください」

現代を生きる多感な21歳女子を取り巻く人間模様

21歳のカナにとって、将来のことを考えるのはあまりに退屈で、自分が人生に何を求めているのかさえわからずにいました。何に対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしだ。同棲している彼氏のホンダは、家賃を払ったり料理を作ったりしてカナを喜ばせようとします。しかし、自信家のクリエイター・ハヤシとの関係を深めていくうちに、カナは彼を重荷に感じ始めます・・・。

 

『ナミビアの砂漠』は9月6日公開。

 

[作品情報]

『ナミビアの砂漠』

監督・脚本:山中瑶子

出演:河合優実

金子大地 寛一郎

新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか

渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空

堀部圭亮 渡辺真起子

プロデューサー:小西啓介 小川真司 山田真史 鈴木徳至

製作:『ナミビアの砂漠』製作委員会

制作プロダクション:ブリッジヘッド コギトワークス

企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ

©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

公式サイト happinet-phantom.com/namibia-movie

公式 X @namibia_movie