日本唯一のオリンピックマラソン男子金メダリスト秘話『ボストン1947』

『ボストン1947』8月30日公開

「祖国の記録」を取り戻すため、祖国への想いを胸に命がけのレースに挑むマラソン選手たちの真実に基づく衝撃と感動のヒューマンエンターテインメント『ボストン1947』が8月30日、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。本稿では、1936年8月9日ベルリンオリンピックのマラソン競技で世界新記録を樹立し、日本が手にした金メダルに隠された秘話を紹介します。

8月9日は、日本がオリンピックのマラソン競技で初優勝した日です。

 

今から88年前の1936年8月9日、オリンピックに日本代表として出場し、当時のオリンピック新記録2時間29分19秒2で金メダルを獲得したのが、日本名・孫基禎(そん・きてい)として出場したソン・ギジョンでした。

 

当時の朝鮮半島は日本の植民地下にあったため、日本代表として出場。同じく日本代表として日本名・南昇竜 (なん・しょうりゅう)として出場したナム・スンニョンは3位銅メダルに輝きました。

 

表彰台に上がったソン・ギジョンは、日本国歌が流れる間、月桂樹の鉢植えで胸元の日本国旗を隠したことが問題視され、後のオリンピックにも大きな影響を与えました。

 

1945年の解放後は指導者として活躍し、韓国陸上競技連盟副会長、ソウル特別市陸上競技連盟理事長、ソウルオリンピック大会組織委員会委員などを歴任し、2002年に90歳で逝去しました。

 

ソン・ギジョンが成し遂げた記録はいまだに日本の記録として登録されており、日本で唯一のオリンピックマラソン男子金メダリストのままです。

 

開催中のパリオリンピックでは、日本は金メダル20個、メダル総数55個を目標に掲げています。8月10日(土)15:00に男子マラソン決勝、8月11日(日)15:00には女子マラソン決勝が行われます。ソン・ギジョン以来の男子マラソン金メダル獲得へと期待が高まります。

祖国の記録を取り戻すために走る

1936年、ベルリンオリンピックのマラソン競技において、日本は世界新記録を樹立、金メダルと銅メダルを獲得し、国民は歓喜に沸きました。しかし、その2個のメダルには秘められた想いが。日本代表としてメダルを獲得したソン・ギジョンとナム・スンニョンが、日本名の孫基禎と南昇竜として表彰式に立ったのです。

 

第2次世界大戦の終結と共に、彼らの祖国は日本から解放されるも、メダルの記録は日本のまま。1947年のボストンマラソンでは、その二人がチームを組み、ただ祖国の記録を取り戻すために走ります。

 

『ボストン1947』は、2024年夏、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。

 

[作品情報]

『ボストン1947』

原 題:1947 보스톤

監督・脚本:カン・ジェギュ 

共同脚本:イ・ジョンファ 

出演:ハ・ジョンウ、イム・シワン、ペ・ソンウ、キム・サンホ、パク・ウンビン

2023年/韓 国/108 分 /スコープ/5.1ch/字幕:根本理 恵/G/

配 給:ショウ ゲー ト

1947boston.jp/

© 2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CONTENT ZIO Inc. & B.A. ENTERTAINMENT & BIG PICTURE All Rights Reserved