テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』4K リマスター版8月2日上映
隠れた傑作を東京テアトルのセレクションで贈るスペシャル・プログラム「テアトル・クラシックス ACT.4」が8月2日(金)より開催。デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』4Kリマスター版が上映されます。本稿では、本作に関する逸話を紹介します。
本作の音楽を担当したのは、TOTOとブライアン・イーノ。
実はエンリオ・モリコーネにもディノ・デ・ラウレンティスから依頼があったという逸話もあります。
TOTOがグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞した直後、彼らには本作のほかに『フットルース』のプロジェクトの話が来ていたといいます。
その時点では『デューン/砂の惑星』の監督はリドリー・スコットが務めることになっており、デヴィッド・ペイチがリドリー・スコットのファンであることから映画音楽を引き受けたといいます。
その後、リドリー・スコットは降板となりましたが、メンバー全員で話し合った結果、デヴィッド・リンチ監督と一緒にやるべきだという結論に達しプロジェクトがスタート。リンチからこのような音楽を作ってくれないかと交響曲を聞かされたそうで、それは『スター・ウォーズ』の様な気分が高揚する様なものではなく、スローで低い音で作ってほしいというもので、不吉な音楽を求めていたのでした。
結局TOTOが手掛けた映画音楽は本作のみ。是非TOTOとウィーン交響楽団が奏でる幻想的な音楽にも注目してみて。
撮影現場に訪れたデヴィッド・ペイチと話し合ったことについて、リンチは「TOTO とは違うテイストの曲を作りたいと考えていたようだ。彼は天才だが、彼の溢れんばかりの才能は実は一部しか生かされていない。所属グループに配慮して新しい音楽への意欲を抑えていたのだろう。だから彼は本作でその意欲を大いに発揮したよ」と語っています。
また、ポール・アトレイディスが“命の水” を飲み“ムアディブ”となる場面に流れる「予言のテーマ」を手掛けたのは、ブライアン・イーノ。
その他、本作では、スティングの怪演もみどころ。
リンチは「当初ロックスターのスティングを起用する気はなかった。だが『ブリムストン&トリークル』で演じている彼を見て考えが変わったんだ。フェイド役にピッタリだとね。多くの人が彼を本作の主人公と思ってる。彼は売れっ子で本作と同時期に他の映画にも出てるからだ。実際には違うが、彼の演技は本当に見事だったよ」と語っています。
貴重なスパイス、メランジを巡る覇権争い
時は10191年。宇宙は皇帝シャダム4世によって支配されていました。この時代に最も貴重な資源は、メランジと呼ばれるスパイス。体を動かさずして自由に旅ができることから、宇宙旅行には必須の物質でした。このスパイスを採取できるのは、砂に覆われ巨大な虫が支配する“デューン”と呼ばれる砂漠の惑星アラキス。この星を舞台に、覇権をめぐって繰り広げられる勢力争いを描きます。
銀河の大勢力のひとつに君臨する大王皇帝シャッダム4世は、自分の地位を脅かしそうな“救世主”の出現を恐れていました。やがて砂の惑星アラキスに住む皇帝のいとこアトレイデス公爵の息子ポールこそが救世主と判明、皇帝は公爵の敵であるハルコネン男爵と手を組んでアトレイデス侯爵の失脚を謀ります。
結果、腹心の部下に裏切られた公爵は自害、ポールと母親ジェシカは砂漠に逃れ、アラキスの原住民であるフレーメンの集団に合流し、一大軍団を組織します。巨大なサンドウォーム (砂虫)を操り、ポールはハルコネン男爵の軍を次々と壊滅。やがてフレーメンに伝わる“命の水"を飲んで超人化したポールは、皇帝に最後の闘いを挑みます。
「テアトル・クラシックス ACT.4『デューン/砂の惑星』4K リマスター版」は8月2日より公開。
[作品情報]
テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』4K リマスター版
原題:Dune
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
原作:フランク・ハーバート
製作:ラファエラ・デ・ラウレンティス
製作総指揮:ディノ・デ・ラウレンティス
撮影:フレディ・フランシス
編集:アントニー・ギブス
音楽:ブライアン・イーノ、TOTO
出演:カイル・マクラクラン、ユルゲン・プロホノフ、フランチェスカ・アニス、マックス・フォン・シドー、ショーン・ヤング、パトリック・スチュワート、スティング、ホセ・ファーラー
1984年製作|137分|アメリカ
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