「リアル鬼ごっこ」山田悠介原作「親指さがし」のリーディングホラーが好評のうちに幕を下ろす

朗読劇「親指さがし」7月6日、7日開催、7月21迄アーカイブ配信

「リアル鬼ごっこ」の山田悠介原作によるベストセラー小説「親指さがし」の朗読劇「親指さがし」が、7月6日(土)、7日(日)にシアター1010で開催。好評のうちに幕を下ろし、7月21日までアーカイブ配信されます。

衝撃的なエンディングに会場が唖然

1日目は、アニメや舞台、映画、ドラマなど、幅広いジャンルで活躍する豪華キャストが集結。会場は超満員となりました。

 

小学生時代に“親指さがし”という呪われた遊びを軽い気持ちではじめてしまったことから、思いもよらぬ恐怖に巻き込まれるというミステリーホラーは、まさに暑い夏にピッタリ。会場の観客もヒンヤリとした気分で、話に耳を傾けていました。

 

この物語は、主人公・武が見たこと、聞いたことをモノローグで心の声として表現しつつ、その合間でキャスト陣の会話劇が織り込まれる、という物語スタイルで進行します。

 

5人の仲間たちが過ごした日々、そして彼らが向き合う運命などを読み上げる梅津瑞樹の声は非常に聴き心地が良く、朗読劇でありながら身体的な動きも積極的に取り入れられていて没入感があります。

 

オープニングは彼らが小学六年生だった時代の回想シーンからはじまります。由美(伊瀬茉莉也)から学校の屋上に呼び出された武(梅津)は、中心部分に花びら模様がついた、ビーズの指輪を手渡されます。

 

「大人になるまでそのビーズの輪っかが切れなかったら……なんでも願いがかなうんだって。だから大人になるまで大切にしてよ」

 

「う…うん、分かったよ」

 

少女時代の由美が武に思いを寄せるさまを初々しく演じてみせた伊瀬と、どこか照れくさそうな武を体現する梅津。そのやり取りはどこか甘くも懐かしさを感じさせます。

 

そんな思い出が繰り広げられる中、重くて静かな衝撃音が会場に鳴り響き、会場は七年後の世界に。武は、間もなく二十歳を迎える大学生となっていましたが、梅津が発する言葉にはどこか後悔の念が混じっている。

 

「この七年間ずっと後悔していた。なぜあんなことをしてしまったのか。なぜ遊び半分であんなことを。後悔したところで由美は帰ってこない……」

 

物語で重要なシークエンスが、小学校時代の仲良し5人組の「親指さがし」。強気でやんちゃな性格の智彦を体現する高尾楓弥。智恵の元気さと明るさで作品を盛り上げた前田佳織里。そして昔も今も怖がりで、みんなの後についていくタイプの信久を演じた村上純。そして「親指さがし」にまつわるうわさを仲間たちに伝え誘った由美を演じた伊瀬。まるで肝試しに興じるかのような無邪気な小学生時代の姿と、そんな彼らが、仲間の失踪という事実に直面し、贖罪(しょくざい)の気持ちを抱き、それでもその思いにケリをつけようとする7年後の姿を演じます。

 

クライマックスではそれぞれの出演者が真に迫る迫真の演技を見せ、観客もその細かい表情、動きに目が離せない様子。恐ろしいだけでなく、その中に悲しみや切なさを感じさせる物語で最後まで魅せました。

 

衝撃的なエンディングに会場が唖然とする中、本日の出演キャストがあらためてステージに立つと、会場からは大きな拍手が。その様子を見た出演者たちも晴れやかな顔を見せました。

 

ステージ終了後は、村上の司会でアフタートークを実施。昼の部は前田と高尾が「怖い話」を披露することに。緊張感あふれる本編とはうって変わって、そこかしこに笑いがちりばめられたふたりの話に、会場も和やかな雰囲気に包み込まれました。

 

夜の部のアフタートークでは、近所にいた謎のおじさんに関する話を披露した梅津、そして不思議な予知能力の話を披露した伊瀬と、昼とはまた違ったトークが繰り広げられ、会場は大盛り上がり。

 

最後に高尾が「自分の声と向き合い、すごく刺激的な日々を過ごさせていただきました。本当に忘れられない日になりました」と振り返ると、村上も「朗読劇をすると、普段まざらないような各業界の人たちとライブができる。そんな楽しさを認識することができました。いろんなジャンルの人とからめて、楽しかったです」と笑顔を見せました。

 

「楽しんでいただけたでしょうか?」と前田が呼びかけると、会場からは大きな拍手が。「ホラーって本当に難しいですね。その時の間やテンションで全然違うし。お別れしちゃうのはさみしいので、またこのチームで朗読劇とか、何かしらできたらいいなと思っております」と再集結への期待を込めました。

 

クライマックスの熱演の影響で「すいません、終わってしまってから声がカスカスです」と笑う伊瀬は、「今回、由美を演じることができてうれしかったです。少しでも来てくださったお客さまが楽しんでいただけましたらうれしいです」と呼びかけます。

 

梅津が「本当にあっという間でした。素敵な方たちとご一緒できて光栄に思います。また何かの機会で、この異色なメンバーで何かお仕事できる機会がありましたら、その日のために今日から精進したいと思います」と語ると、「ホラーというのは、朗読には珍しい題材かなと思いますが、かなり面白かった。リーディングホラーが続くことを影ながら祈っております。怖い話は日常との隣り合わせですから……次はあなたの番かも」と観客をヒヤリとさせ大盛り上がり。大きな拍手が寄せられました。

「アーカイブ配信が楽しみ」

2日目の7月7日(日)の出演者は、さまざまな声優、俳優、芸人と各分野の実力派が集結しました。

 

物語は1日目同様、主人公・武が見たこと、聞いたことを、心の声でつぶやくようなモノローグで表現しつつ、その合間にキャスト陣の会話劇が織り込まれるスタイルで進行。

 

主人公・武を演じる高橋健介がほぼ全編出ずっぱりで、膨大な量の文章を朗読し続けました。その声質は、穏やかな中にも強い意志を感じさせるようなまっすぐさがあり、心地よい響きが会場を包みました。

 

また台本を手に持ちながら演じる朗読劇でありながら、目線や身体的な動きが取り入れられるのは前日と同様ですが、高橋が演じることで、武のまっすぐさがより際立つようにも感じられました。

 

幼き日の由美の無邪気さと、スズの狂気的な激しさを巧みに演じ分けた古賀葵。静と動のコントラストをくっきりと色濃く体現しクライマックスが切なくも激しく胸に迫るものとなりました。

 

また、“親指さがし”遊びに興じた際に由美が発した「いい? 絶対に親指さがしの話を他の人にしゃべっちゃだめだからね? 絶対だよ」というセリフが劇中でも響き渡るも、古賀が発するセリフのトーンが明るいがゆえに、武たちの心の十字架のように重くのしかかっていきます。

 

過去の自分たちがやってしまった後悔と贖罪(しょくざい)の気持ちと決別したいと願う智彦の焦燥感を、安定感のある芝居で表現してみせた八木将康。畏怖の念を抱きながらも、親友の由美を思う知恵の感情を演じきった礒部花凜。普段の芸人としての顔を封印し臆病で怖がりな信久の繊細さを演じきったKAƵMA。1日目とはまた違った個性が織りなすアンサンブルは印象的で、会場は熱心に耳を傾ける観客であふれました。

 

無邪気な“親指さがし”に興じる少年時代の5人。「軽い気持ちだった」と武が語る通り、秘密を共有した彼らが感じたのは恐怖よりも、鳥肌が立つようなスリル、興奮でした。そんな彼らが取り返しのつかない後悔に直面。その背後には得体の知れない何かがうごめいている・・・そんな恐怖体験を盛り上げるために、音楽、照明、効果音などが絶妙なタイミングで挿入されました。

 

ステージ終了後は、キャスト陣が登壇するアフタートークを実施KAƵMA(しずる)が司会を担当し、芸人らしく明るいトークで場を盛り上げました。

 

昼の部では、リーディングホラーについて語りあった登壇者たち。今回は台本を手に持ちながら演じる朗読劇ということで、「台本ってどう持つのが正解なんですか?」というKAƵMAの素朴な疑問から、台本談義に花を咲かせました。

 

恐ろしい体験をしている時の演技の最中にページをめくると、「余裕あるじゃないか」と思われないか。ならば八木はどういう風にしているんだろうと思い、八木の台本をめくる所作を観察していたというKAƵMA は、「八木さん、めくってるのかどうか分からないくらいのスピードでめくるんですよ」と指摘して会場は大笑い。「自分では意識してないですけどね」という八木が応じました。

 

その後も劇中のとあるシーンで武たちが、KAƵMA 演じる信久に対して雑な扱いをするくだりがあることに対してツッコミを入れてみたりと、会場は終始大盛り上がりでした。

 

夜の部では、「アンサンブルの方も2日間やったわけですし。ステージに来ていただいたら」というKAƵMAの提案により、アンサンブルキャストを務めた田中聖奈、小川直彦、宮崎加奈子をステージに呼び込み「僕たちのリハーサルにも付き合ってくださったんです」という高橋に、KAƵMAも「稽古の後も、皆さん集まって、監督と打ち合わせをしたりしていて。なのにここに出てもらわないと味気ないだろうと。本当にすばらしかったです!」と紹介。会場からは彼らをねぎらう拍手がわき起こりました。

 

昼のアフタートークでは、ストーリーの中で武が信久に対して雑な扱いをしてしまうくだりに対してツッコミを入れいていたKAƵMAですが、それを受けた夜の部では、高橋が「それまではまったくそんなことを思っていなかったのに、KAƵMAさんの話を聞いてからは、そのシーンが来る直前に(笑いそうになって)ヤバすぎた。配信で観ていただくと顔がピクピクしているかもしれません」と告白しました。

 

礒部も「知恵的ポイントなんですけど、最初に親指さがしをはじめるか、はじめないか、と言い合うところで、知恵が『本当にやるの?』と言いながらも、結局やることになった時に、(武のモノローグが)一応全員の意見が一致したところで……って言っていて。絶対に丸め込まれたじゃんと思いました」と発言して会場は大笑いに。

 

八木も「昼公演のアフタートークの時に、台本のページをめくるのが早くて。いつめくってるのかと言われたんですけど、今回意識し過ぎちゃった」と笑ってみせると、KAƵMA が「ごめんなさい! 全部俺が言っちゃったせいですね」と懺悔して会場を沸かせました。

 

八木が「このアフタートークを聞いた上でアーカイブを見るとまた違った面白さがあるんじゃないかと思い、僕も気になってきました。ぜひチェックをお願いします」と言えば、礒部も「わたしもアーカイブで八木さんの高速ページめくりをどうやられているのか、勉強したいと思います」と語ります。

 

古賀も「朗読劇をやるときって、声優さん同士とか、俳優さん同士という感じになると思うんですが、今日は声優の方も、俳優の方も、芸人の方もいて。異色な感じがすごく面白くて。今まで経験したことがない刺激をいただけてうれしかったです」とコメント。

 

高橋が「今日、劇場の前がものすごい行列で。リーディングホラーに来てくださる方かなと思ったらほぼパチンコの人で。7月7日で、7がそろうんじゃないかと幸せな顔をされていました。もしかしたら今は違うかもしれませんが(笑)。でも今日は7月7日ということで、皆さまに幸運がくるように祈っております」と語りかけました。

 

公演は7月21日(日)までアーカイブ配信で視聴可能。配信チケットは

https://spwn.jp/events/evt_MZ8eMnzaFO0Z4lBM3rfI より購入できます。

 

 

過去の清算のハズが、凄惨な事件の幕開けに

「ねぇ、“親指さがし”って知ってる?」

 

由美が聞きつけてきた噂話は、ある別荘で殺害された女声の遺体の左手の親指だけが見当たらず、それを見つけたら幸運な出来事が起きるらしいというもの。武、智彦、信久、知恵、そして由美の仲良し小学生5人は、遊び半分で“親指さがし”を行います。すると5人は全く知らない部屋に飛ばされます。何か得体のしれない気配を感じ急いで元の場所へと戻るも、そこに由美の姿はありませんでした。

 

それから7年、大学生になった武は失踪した由美を見つけ過去を清算するため、事件の真相を求めて皆を誘い再び“親指さがし”を行いますが、それは惨劇の始まりでした・・・。

 

[作品情報]

リーディングホラー「親指さがし」

会場:シアター1010 (〒120-0034 東京都足立区千住 3-92 千住ミルディスⅠ番館 11F)

https://www.t1010.jp/html/access/index.html

原作:山田悠介『親指さがし』(幻冬舎文庫)

キャスト

7月6日(土)

【沢 武役】梅津瑞樹

【田所由美役】伊瀬茉莉也

【五十嵐智彦役】高尾楓弥(BUDDiiS)

【高田知恵役】前田佳織里

【吉田信久役】村上純(しずる)

7月7日(日)

【沢 武役】高橋健介

【田所由美役】古賀 葵

【五十嵐智彦役】八木将康(劇団 EXILE)

【高田知恵役】礒部花凜

【吉田信久役】KAƵMA(しずる)

【両日出演者・アンサンブル】田中聖奈、小川直彦、宮崎加奈子

※出演者・開催日時は変更となる可能性があります。

■配信チケット

販売期間:~7 月 21 日(日)19:59

①単品チケット:各 3,900 円 (税込)

※2024 年 7 月 6 日(土)昼公演・夜公演、7 月 7 日(日)昼公演・夜公演のうちどれか 1 公演が視聴可能

②1day チケット:7,500 円 (税込)

※2024 年 7 月 6 日(土)昼・夜の 2 公演、または 2024 年 7 月 7 日(日)昼・夜の 2 公演が視聴可能

③両日堪能配信チケット(特典付き):7,500 円 (税込)

※2024 年 7 月 6 日(土)夜公演と、7 月 7 日(日)夜公演の 2 公演が視聴可能

特典映像:ここだけでしか見られない公演の舞台裏をキャストが語るキャスト舞台裏座談会

※③両日堪能配信チケット(特典付き)を購入いただきました方のみのご視聴いただけます。

■アーカイブ視聴可能期間

<各公演>公演終了時~7 月 21 日(日)23:59

アーカイブ開始時間は公演後、状況により遅れる場合がございます

<特典映像>7 月 19 日(金)18:00~8 月 4 日(日)23:59

※公開日より 2 週間を予定しております。

■配信プラットフォーム・チケット販売サイト

SPWN https://spwn.jp/events/evt_MZ8eMnzaFO0Z4lBM3rfI

視聴に関する問い合わせ:SPWN 

問い合わせ窓口:https://event.spwn.jp/contact

 

主催 エイベックス・ピクチャーズ株式会社

脚本・演出 小野真一

 Ⓒ山田悠介・幻冬舎/エイベックス・ピクチャーズ株式会社 (短縮)ⒸYY・G/API

公式サイト https://www.reading-horror.com/oyayubisagasi