「スター・ウォーズ」を蹴ってでもやりたかったデヴィッド・リンチ版 『デューン/砂の惑星』4Kリマスター版

テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』4K リマスター版8月2日上映

隠れた傑作を東京テアトルのセレクションで贈るスペシャル・プログラム「テアトル・クラシックス ACT.4」が8月2日(金)より開催決定。デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』4Kリマスター版が上映されます。このたび、4Kリマスター版場面写真が公開されました。

公開された場面写真は、砂の惑星“デューン”を背景に宇宙船が飛び主人公のポール(カイル・マクラクラン)や恋人のチャニ(ショーン・ヤング)、宿命のライバル・フェイド(スティング)の表情があしらわれているメインカットのほか、ポールとフェイドの対決シーン、フレーメンを従え戦いに挑むポール、ハルコネン男爵(ケネス・マク ミラン)やサンドワーム、ギルド・ナビゲーターの姿なども映されており、作り込まれた精巧な世界観がうかがえます。

 

本作は、『キングコング』(76)などを手掛けた大物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスが、『エレファントマン』(80)のデヴィッド・リンチ監督を抜擢、多額の製作費を投じ映像化不可能と言われたフランク・ハーバートによるSF大河小説の映画化。

 

SF界のノーベル賞とも言われるヒューゴー賞を受賞した原作は、宇宙を舞台にしたエピック物語でありつつ、宗教、哲学、心理学、ドラッグカルチャーなどが詰め込まれ、ベトナム戦争が激化していた1960年代アメリカを偶像化した作品としてベストセラーになっていました。

 

当時デヴィッド・リンチ監督にはジョージ・ルーカスから『スターウォーズ/ジェダイの帰還』の監督オファーがあったにもかかわらず、本作を迷わずに選んだそう。

 

「ツイン・ピークス」(90)など、後にリンチ作品のアイコンとなるカイル・マクラクランの映画デビュー作でもある本作は、スティングの出演、ブライアン・イーノやTOTOが音楽を担当するなども話題となりました。

 

砂虫(サンドワーム)など『E.T.』(82)のカルロ・ランバルディが手掛けた不気味なクリーチャー造形やハルコネン男爵ら登場人物の醜悪な容姿など、細部に至るリンチ・テイストで映画ファンのあいだでは長年カルトムービーとして崇拝されています。

貴重なスパイス、メランジを巡る覇権争い

時は10191年。宇宙は皇帝シャダム4世によって支配されていました。この時代に最も貴重な資源は、メランジと呼ばれるスパイス。体を動かさずして自由に旅ができることから、宇宙旅行には必須の物質でした。このスパイスを採取できるのは、砂に覆われ巨大な虫が支配する“デューン”と呼ばれる砂漠の惑星アラキス。この星を舞台に、覇権をめぐって繰り広げられる勢力争いを描きます。

 

銀河の大勢力のひとつに君臨する大王皇帝シャッダム4世は、自分の地位を脅かしそうな“救世主”の出現を恐れていました。やがて砂の惑星アラキスに住む皇帝のいとこアトレイデス公爵の息子ポールこそが救世主と判明、皇帝は公爵の敵であるハルコネン男爵と手を組んでアトレイデス侯爵の失脚を謀ります。

 

 

結果、腹心の部下に裏切られた公爵は自害、ポールと母親ジェシカは砂漠に逃れ、アラキスの原住民であるフレーメンの集団に合流し、一大軍団を組織します。巨大なサンドウォーム (砂虫)を操り、ポールはハルコネン男爵の軍を次々と壊滅。やがてフレーメンに伝わる“命の水"を飲んで超人化したポールは、皇帝に最後の闘いを挑みます。

 

 「テアトル・クラシックス ACT.4『デューン/砂の惑星』4K リマスター版」は8月2日より公開。

 

[作品情報]

テアトル・クラシックス ACT.4 『デューン/砂の惑星』4K リマスター版

原題:Dune

監督・脚本:デヴィッド・リンチ 

原作:フランク・ハーバート 

製作:ラファエラ・デ・ラウレンティス 

製作総指揮:ディノ・デ・ラウレンティス 

撮影:フレディ・フランシス 

編集:アントニー・ギブス 

音楽:ブライアン・イーノ、TOTO 

出演:カイル・マクラクラン、ユルゲン・プロホノフ、フランチェスカ・アニス、マックス・フォン・シドー、ショーン・ヤング、パトリック・スチュワート、スティング、ホセ・ファーラー

1984年製作|137分|アメリカ

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