森山未來主演『大いなる不在』公開中
森山未來が主演し、藤竜也、真木よう子、原日出子が共演した近浦啓監督の第二作目『大いなる不在』が、テアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほかで公開。本稿では、6月25日にTOHOシネマズ 日比谷 スクリーン9で開催された舞台挨拶の模様をリポートします。
コロナ禍と父の認知症発症がキッカケ
この日登壇したのは、近浦監督のほか、主演の森山、藤、真木、原。このメンバーが一堂に会するのは、実は初めてだそう。
近浦監督は、本作を制作することとなったきっかけについて次のように明かします。
「2020年4月コロナ禍による緊急事態宣言が発令され、次にいつ映画が撮れるのか悶々としました。とともに、自分の父が突然認知症になったことで、それまであった日常がなくなった。それが、コロナ禍前に考えていたことがもはや『いない』という意味で『不在』というキーワードに結びつきました」
そんな近浦監督と森山は、主人公の卓(たかし)という人物像について、6〜7時間とことん話し合ったと言います。
森山演じる卓が対峙する父・陽二に藤を宛てた理由については、「藤さんと森山さんが同じフレームにいるのを撮ってみたかった」と答えています。本作は35mmフィルムで撮影しています。
そんな藤は、近浦監督と組むのは3度目。「いつも相談しながら進めています。シンパシーを感じやすいのです。今回も、スッと役に入り込めました」
森山も「『居合い』とでもいいますか、現場ではいい意味で無駄のない、そんな存在でした」と振り返ります。
真木の起用については、近浦監督は真木から「これ、私でいいんですか?」と言われたそうですが、「卓(たかし、森山)の横にいる妻・夕希役には真木しかイメージできなかったそう。
そう言われた真木は、「(森山)未来くんは、ダンスをやっていることもあって、内側から出る色気がハンパないんですよ」と会場を沸かせました。
藤演じる父・陽二の再婚相手・直美を演じた原は、『ションベンライダー』以来およそ40年ぶりとなる藤との共演を楽しみにしていた様子。撮影を振り返り印象に残ったことを訊かれ「実際に近浦監督の実家に伺ったとき、すでに空気感ができあがっており、自然と夫婦になることができました。生きた感覚が出せたと思います」と語りました。
再婚後認知症となった父との再会
本作品は、森山未來、藤竜也の圧倒的演技が際立つサスペンスヒューマンドラマ。
幼い頃に自分と母を捨てた父が警察に捕まったとの報せを受け、卓(たかし)は久しぶりに妻(真木よう子)とともに父の元を訪ねますが、そこには認知症で別人のように変わった父の姿が。そして父の再婚相手の義母(原日出子)は行方不明になっていました。いったい何が起こったのか、卓は調べ始めます・・・。
『大いなる不在』は、7月12日(金)よりテアトル新宿、TOHO シネマズ シャンテほかで全国公開。
[作品情報]
『大いなる不在』
監督・脚本:近浦啓 共同脚本:熊野桂太
プロデューサー:近浦啓 堀池みほ
出演:森山未來、藤竜也、真木よう子、原日出子 ほか
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
特別協力 北九州フィルム・コミッション
製作:クレイテプス
配給:ギャガ
2023年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/133 分
©2023 CREATPS
映画公式 HP: https://gaga.ne.jp/greatabsence/
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