『パドレ・プロジェクト/父の影を追って』8月31日公開
お笑い芸人「ぶらっくさむらい」武内剛の初監督作品で、生き別れの父親を探す旅を記録したセルフドキュメンタリー映画『パドレ・プロジェクト/父の影を追って』が、8月31日(土)より新宿 K’sCinemaほかで全国ロードショー決定。ポスターと予告編、シーン写真が公開されました。
公開された予告編は、武内がイタリア人の友人から「パドレは“父親”って意味よ」と教わるシーンから始まります。
その後、イタリアのテレビ番組にビデオレターを送るため、武内は慣れないイタリア語で「僕の名前はタケウチゴウ。父親を探しています」とカメラに向かって語りかけます。「父を探す。自分を探す。」と挿入される言葉のとおり、“ハーフ”であることをコンプレックスに感じ、アフリカ人の父の影を遠ざけるように日本で生きてきた武内にとって、この「父親探し」は、あらためて自分のルーツに向き合う旅。
旅に出る決意をしたあと、花束を持っておとずれたのは、老人ホームにいる母親のもと。今回の旅の目的を告げる武内と、それを穏やかな表情で聞く母の間に流れる優しい空気が印象的です。
しかし、当然ながらイタリアでの父親探しは思うようには行きません。
「父親を探していることは秘密にしろ」「どうしてここに入った?」
緊迫の場面もカメラは映し出し、予告編のラストには、捜索に行き詰まった武内が思わず涙する様子も捉え、見守りたくなるような映像となっています。
公開されたポスターは、胸に映画のタイトルが刻まれたTシャツを着てイタリアへ渡った武内の、これから始まる旅に対する期待と不安の入り混じった表情を切り取ったもの。手にしているのは、「この人を知っていますか?」とイタリア語で書かれた紙と父親の写真。「一度でいいから、会いたい。」と添えられたコピーからは、父の影を追い求める武内の切実な思いが感じられます。
イタリアの映画学校に通っていた父
制作の背景について、武内は「“パドレ・プロジェクト”は、物心ついた頃から心の片隅にあった」と語ります。お笑い芸人としては「日本人
には見えない外見」を武器にするも、10~20代前半の頃は、出自について笑われるようなことを受け入れる余裕は少しもなかったのだそう。
そんな武内が自らの旅を映画に撮った理由の一つは、ドキュメンタリー映画監督になるためにイタリアの映画学校に通っていたという父の夢を継ぐため。
そして、もう一つには、自分と似た境遇で悩みや問題を抱える人に届けたいという強い想いがありました。
制作にあたり2022年CAMPFIRE上で行ったクラウドファンディングでは、目標金額100万を上回る1,345,500円を集めることに成功。さらに今回の全国公開にあたっては、配給・宣伝費を集めるために再びクラウドファンディングを実施、目標金額 200 万を超える2,646,500円を集めました。
日本公開に先駆け、2023年にニューアーク国際映画祭でワールドプレミアを果たし、デトロイト・トリニティ国際映画祭、ボルティモア国際黒人映画祭などでさまざまな賞を受賞。初監督作品にして、その意欲的な姿勢で異例の快挙を成し遂げています。日本では座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルで初上映され、武内のまっすぐな人柄や行動力、映画のラストに待ち受ける結末が審査員や観客の心を揺さぶり、その評判からテレビや新聞などメディアで次々と取り上げられました。
出自を探す旅
武内は、日本人とカメルーン人の間に生まれた“ハーフ”として、日本で育ちました。
イタリアで出会った両親は、彼が2歳になる頃に別れ、母は日本へ戻り女手一つで武内を育てました。もちろん武内は父のことを何一つ覚えていません。「映画監督を目指していた」「DJをやっていた」といった母の思い出話から浮かび上がる父は、クリエイター気質。
武内は、そのあとを追うように、お笑い芸人・ぶらっくさむらいとしてエンターテインメントの世界で活動していましたが、2020年「COVID-19」パンデミックで、もう二度と父親に会えないかもしれないとの切迫した気持ちに襲われます。
父を探すためイタリアへ旅立つことを決意し、その記録を自ら監督・プロデューサーとして映画にすることを決意するも、緊急事態宣言の最中で渡航のハードルが高いうえに、認知症の母から聞き出せる父の情報は驚くほど少なく、手元にあるのは40年前の父の写真だけ。
10日間という限られた滞在期間に、イタリアの人口・約130万人の中から会ったこともない一人の肉親を探し出すのは予想以上の困難を極めましたが、ある日ついに父親の手がかりを掴んで……。
『パドレ・プロジェクト/父の影を追って』は、8月31日(土)より新宿 K’sCinemaほかで全国ロードショー。
[作品情報]
『パドレ・プロジェクト/父の影を追って』
監督・プロデュース・編集:武内剛
撮影監督:成富紀之
脚本・構成:吾妻蓮
MA:藤木かずひと
カラリスト:星子駿光
楽曲提供:青木晋太郎
現地コーディネーター:Compangnone Francesca
字幕協力:三浦アーク、Elly
2023年|日本|カラー|80 分|16:9|Stereo|英題:Padre Project
配給:ミカタ・エンタテインメント 宣伝協力:Xhora
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【公式サイト】 https://padreproject.jp
【公式 X】 https://x.com/padreproject50
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