ダニエル・ラドクリフが感激に手を震わせて・・・「第77回トニー賞」受賞結果発表

「第77回トニー賞」受賞結果発表 「アウトサイダー」が4冠

アメリカ演劇界で最も権威のあるアワード「第77回トニー賞授賞式」が6月17日(日本時間)開催され、WOWOWで生中継されました。

『第 77 回トニー賞授賞式』会場図 写真:アフロ
『第 77 回トニー賞授賞式』会場図 写真:アフロ

ニューヨークのデイヴィッド・H・コーク劇場にて開催された今年の授賞式は、コロナ禍や全米脚本家協会のストライキなどを経て、通常どおりの演出で開催。アリアナ・デボーズが3年連続でホストを務め、彼女のオープニングパフォーマンス「This Party’s For You」で華やかに幕を開けました。

アリアナ・デボーズ(オープニング) 写真:アフロ
アリアナ・デボーズ(オープニング) 写真:アフロ

ミュージカル作品では、「アウトサイダー」が作品賞、ミュージカル演出賞など4部門を受賞。この作品は、フランシス・フォード・コッポラ監督が映画化したことでも知られるS・E・ヒントンの青春小説を原作に、アンジェリーナ・ジョリーがプロデューサーを務めたもの。

『アウトサイダー』 写真:GettyImages
『アウトサイダー』 写真:GettyImages

本作にはジョリーの15歳の娘のヴィヴィアンもアシスタントとして参加しており、2人揃って授賞式に出席し、ミュージカル作品賞受賞が決まった際には壇上に上がり、喜びを分かち合いました。

レッドカーペット 左:ヴィヴィアン・ジョリー=ピット 右:アンジェリーナ・ジョリー 写真:GettyImages
レッドカーペット 左:ヴィヴィアン・ジョリー=ピット 右:アンジェリーナ・ジョリー 写真:GettyImages

このほか、映画『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが『メリリー・ウィー・ロール・アロング』でミュージカル助演男優賞を獲得、初のトニー賞受賞を果たしました。壇上でラドクリフは、共演陣や制作陣ら作品に関わった人々、さらに両親やパートナーのエリン・ダークらへの感謝を手を震わせながら述べました。

ダニエル・ラドクリフ (ミュージカル助演男優賞) 写真:アフロ
ダニエル・ラドクリフ (ミュージカル助演男優賞) 写真:アフロ

『メリリー・ウィー・ロール・アロング』はミュージカル・リバイバル作品賞、ミュージカル主演男優賞(ジョナサン・グロフ)など4部門で受賞。

『メリリー・ウィー・ロール・アロング』 (ダニエル・ラドクリフ、ジョナサン・グロフ、 リンジー・メンデス) 写真:GettyImages
『メリリー・ウィー・ロール・アロング』 (ダニエル・ラドクリフ、ジョナサン・グロフ、 リンジー・メンデス) 写真:GettyImages

演劇作品では、「ステレオフォニック」が前評判通りの強さを見せ、作品賞、演劇演出賞、演劇助演男優賞など全体で最多の5部門で3受賞。ロックバンドのアーケイド・ファイアの創始者ウィル・バトラーが楽曲を書き下ろし、70年代のロックバンドがスターダムにのし上るまでを描いた作品で、演劇作品としては史上最多の10部門で13ノミネートを受けていました。

『ステレオフォニック』 写真:GettyImages
『ステレオフォニック』 写真:GettyImages

なお、今年の俳優部門の計8部門は、全員が初受賞となった。

アリシアとジェイ・Zがデュエット

毎年、話題を呼ぶパフォーマンスもトップスターたちがハイクオリティなショーを披露。

 

アリシア・キーズがプロデューサーを務め、自身の半生をミュージカル化した『ヘルズ・キッチン』は、ミュージカル主演女優賞、助演女優賞に輝きました。

アリシア・キーズ(『ヘルズ・キッチン』)

写真:GettyImages

パフォーマンスでは主演のマリア・ジョイ・ムーンらキャスト陣に加えアリシア本人も登場し、同作のフィナーレを飾る「Empire State of Mind」を披露。さらにアリシアと共に同曲をリリースして第53回グラミー賞で最優秀ラップ・ソング賞など2部門を受賞したジェイ・Zがサプライズ登場、ふたりのパフォーマンスに会場は熱狂に包まれました。

『キャバレー』(エディ・レッドメイン) 写真:アフロ
『キャバレー』(エディ・レッドメイン) 写真:アフロ

ミュージカル・リバイバル作品賞などにノミネートされていた『キャバレー』のパフォーマンスでは、主演のエディ・レッドメインがオープニング曲の「Willkommen」を圧倒的な存在感のEmcee(エムシ=)として歌い上げ、会場を沸かせました。

 

同じくミュージカル・リバイバル作品賞ノミネートの『TOMMY』のパフォーマンスでは、プレゼンターとしてTHE WHO(ザ・フー)のギタリスト、ピート・タウンゼントがプレゼンターとして来場、自らギターを演奏してパフォーマンスにも参加しました。

『TOMMY』 写真:GettyImages
『TOMMY』 写真:GettyImages

「TOMMY」はTHE WHOが1969年に発表したロック・オペラのアルバムから始まり、75年に映画化、93年にブロードウェイ・ミュージカル化された作品で、ピート・タウンゼントが作詞作曲、脚本を手がけています。

 

プレゼンターとしてひときわ注目を集めたのが、元大統領候補のヒラリー・クリントン。女性の参政権獲得に向けた活動を題材に2部門で受賞を果たしたミュージカル『サフス』のプロデューサーを務めており、同作のパフォーマンスのプレゼンターとしてサプライズ登壇。社会に変化をもたらすことの難しさについて言及しつつ、女性参政権獲得のために戦った人々を称賛し「選挙の年だからこそ、投票の重要性を感じてほしいと思います」と呼びかけました。

ヒラリー・クリントン 写真:GettyImages
ヒラリー・クリントン 写真:GettyImages

京本大我がエディ・レッドメイン受賞を熱望

WOWOWのスタジオでは、ナビゲーターを務める井上芳雄と宮澤エマ、スペシャル・サポーターの京本大我(SixTONES)が、演劇ジャーナリストの影山雄成、音楽ジャーナリストの高橋芳朗らと共に授賞式の様子を見守りました。

 

井上と宮澤は、番組冒頭で今年の注目作品の楽曲のメドレーを披露。宮澤は2013年に日本で上演され、舞台初出演となった『メリリー・ウィー・ロール・アロング』への強い思い入れをたびたび口にし、同作の4冠獲得に歓喜していました。

 

『ハリー・ポッター』シリーズと『ファンタスティック・ビースト』シリーズが大好きな京本はダニエル・ラドクリフとエディ・レッドメインが同じ年のトニー賞にノミネートされていることに大興奮。レッドメインの『キャバレー』の圧巻のパフォーマンスを称賛すると共に、ラドクリフが手を震わせながら助演男優賞を受賞する様子を見て「感情があふれていて、こっちも嬉しくなりました」とコメントしました。

 

今年は演劇部門、ミュージカル部門合わせて7人の女性が演出部門でノミネートされたのを受け、井上は「改めてウーマンパワーを感じました。みなさんが(スピーチで)おっしゃっていた『夢をあきらめないで!』ということ、それはずっと言われていることですが、説得力をもって伝わってきました。時代はどんどん変わろうとしているのが、今年のトニー賞から目に見えて感じられました。僕たちもぜひ一緒に前に進みたいなと思いました」とコメントしました。

 

[主な部門受賞結果]

●「ステレオフォニック」5部門受賞:演劇作品賞 演劇演出賞(ダニエル・オーキン)、演劇助演男優賞(ウィル・ブリル)、演劇照明デザイン賞、演劇音響デザイン賞

●「アウトサイダー」4部門受賞:ミュージカル作品賞 ミュージカル演出賞 ミュージカル照明デザイン賞 ミュージカル音響デザイン賞

 

★演劇作品賞 『ステレオフォニック』

★ミュージカル作品賞 『アウトサイダー』

★演劇リバイバル作品賞 『アプロプリエイト』

★ミュージカル・リバイバル作品賞 『メリリー・ウィー・ロール・アロング』

★演劇演出賞 ダニエル・オーキン 『ステレオフォニック』

★ミュージカル演出賞 ダンヤ・テイモア『アウトサイダー』

★演劇主演男優賞 ジェレミー・ストロング『民衆の敵』 ※初受賞

★演劇主演女優賞 サラ・ポールソン 『アプロプリエイト』 ※初受賞

★演劇助演男優賞 ウィル・ブリル『ステレオフォニック』 ※初受賞

★演劇助演女優賞 カラ・ヤング 『パーリー・ヴィクトリアス:ア・ノン・コンフェデレート・ロンプ・スルー・ザ・コットン・パッチ』 ※初受賞

★ミュージカル主演男優賞 ジョナサン・グロフ『メリリー・ウィー・ロール・アロング』 ※初受賞

★ミュージカル主演女優賞 マリア・ジョイ・ムーン 『ヘルズ・キッチン』 ※初受賞

★ミュージカル助演男優賞 ダニエル・ラドクリフ『メリリー・ウィー・ロール・アロング』 ※初受賞

★ミュージカル助演女優賞 キーシャ・ルイス『ヘルズ・キッチン』 ※初受賞

 

[番組情報]

「生中継!第77回トニー賞授賞式」

WOWOW オンデマンドで配信中(6/23(日)午後2:59まで)

「第77回トニー賞授賞式 字幕版」

6/23(日)午後 3:00~ WOWOW ライブで放送/WOWOW オンデマンドで配信(7/8(日) 午前8:59まで)

※放送・配信終了後アーカイブ配信あり

※井上芳雄、宮澤エマ、京本大我の出演するスタジオパートは一部抜粋編集して放送

●ナビゲーター:井上芳雄、宮澤エマ

●スペシャル・サポーター:京本大我(SixTONES)

影山雄成(演劇ジャーナリスト)、高橋芳朗(音楽ジャーナリスト)

番組 URL:https://www.wowow.co.jp/stage/tony/