『フィリップ』6月21日公開
1961年にポーランドで発刊されるや内容の過激さからすぐ発禁処分になった伝説の自伝的小説をもとに描かれた映画『フィリップ』が6月21日に公開。このたび、本編特別映像が公開されました。
公開された映像は、「行動したい、ただ生きてるのはご免だ」と、自らの内からほとばしる情熱を発散するかの如く肉体を鍛錬する様子を捉えたもの。
ユダヤ人であることを隠し、ホテルのウェイターとして働くフィリップ。同じくユダヤ人であることを隠しながら同居する友人は「食うのに困ってもいないのに何が不満なんだ」「ここはアウシュビッツよりましだ」とフィリップをたしなめるも、その言葉はフィリップには届きません。
孤独で優雅、そして逞しい美⻘年フィリップを演じるため、ダンスやボクシングを学びながら体重を10キロ増!1年かけて見事に鍛えあげたエ リック・クルム・ジュニアの肉体美は必見!
恋人や家族をナチスによる理不尽な暴力で失ったフィリップ。孤独を癒すために手段を選ばない彼の人物像について監督は次のようにコメントしています。
「彼の冷酷でシニカルで反社会な行動が人の嫌悪感を呼ぶように見えるかもしれません。しかしそれはすべて壊れやすく繊細な性格を隠すための仮面です。フィリップは自分の内なる悪魔を克服するために、他の方法で行動することはできません。現代だったらフィリップはおそらく心理療法士の下に通い詰めているでしょう」
さらに次のように続けます。
「この映画は戦争映画ではありません。トラウマに苦しむ孤独で疎外された男性についての映画です。フィリップは建築家になる夢がありましたが、戦争の運命によってホテルのウエイターになりました。この点において彼は現代のウクライナやシリア、パレスチナ、アフガニスタンからの難⺠の境遇と共通していると言えます。第二次大戦はこの映画の時代設定や舞台装置にすぎません。本当に重要なのは、主人公を悩ませる精神的・道徳的問題であり、それが物語の時代設定に関係なく普遍的なものになることです」
第二世界大戦を舞台にした映画が、戦後80年近く経った今でも新たな物語として取り上げる意義がここにあります。
身分を秘してナチスへの復讐を果たす男の生き様
1941年、ワルシャワのゲットーで暮らすポーランド系ユダヤ人フィリップ(エリック・クルム・ジュニア) は、恋人サラとゲットーで開催された舞台でナチスによる銃撃に遭い、サラや家族、親戚を目の前で殺されてしまいます。
2年後、フィリップはフランクフルトにある高級ホテルのレストランでウェイターとして働いていました。自身をフランス人と偽り、戦場に夫を送り出し孤独にしているナチス将校の妻たちを次々と誘惑することでナチスへの復讐を果たすという孤独と嘘で塗り固めた生活を過ごしていましたが、やがて、プールサイドで知的な美しいドイツ人のリザ(カロリーネ・ハルティヒ)と出会い、愛し合うように。しかし、戦争は容赦なく二人の間を引き裂いていきます・・・。
『フィリップ』は、6月21日に公開。
[作品情報]
『フィリップ』
原題:Filip
監督:ミハウ・クフィェチンスキ
脚本:ミハウ・クフィェチンスキ, ミハル・マテキエヴィチ (レオポルド・ティルマンドの小説『Filip』に基づく)
出演:エリック・クルム・ジュニア、ヴィクトール・ムーテレ、カロリーネ・ハルティヒ、ゾーイ・シュトラウプ、ジョゼフ・アルタムーラ、トム・ファン・ケセル、ガブリエル・ラープ、ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ、サンドラ・ドルジマルスカ、ハンナ・スレジンスカ、マテウシュ・ジェジニチャク、フィリップ・ギンシュ、ニコラス・プシュゴダ
撮影:ミハル・ソボチンスキ
美術:カタジーナ・ソバンスカ,マルセル・スラヴィンスキ
衣装:マグダレナ・ビェドジツカ, ユスティナ・ストラーズ
メイクアップ:ダリウス・クリシャク
音楽:ロボット・コック
プロデューサー:ポーランド・テレビ SA
配給:彩プロ
2022 | ポーランド | ポーランド語、ドイツ語、フランス語、イディッシュ語 | 1: 2| 124 分 | 字幕翻訳:岡田壮平 | R-15+
後援:ポーランド広報文化センター
(C)TELEWIZJA POLSKA S.A. AKSON STUDIO SP. Z.O.O. 2022
映画公式 HP https://filip.ayapro.ne.jp/
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