『アクターズ・ショート・フィルム4』3月8日より放送・配信開始
人気俳優が監督となって同一条件で映画を制作するWOWOWのプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』の第4弾『アクターズ・ショート・フィルム4』が3月8日より放送・配信。このたび完成報告座談会生配信が行われました。
千葉雄大監督、仲里依紗監督、福士蒼汰監督、森崎ウィン監督が一堂に揃うのはこれがはじめて。それだけに4名の監督陣はどこかソワソワ。
一ノ瀬颯らが出演する群像劇『ハルモニア』を手掛けた千葉監督は、『アクターズ・ショート・フィルム』への監督参加は『あんた』に続いてこれで2度目。
「2回目だからといって慣れはないですね。(もっとも)前回と同じスタッフさんが多かったのもあり、話しやすさの面では2回目ならではのやりやすさがありました」
福士監督から「物語の構成的に見ても上手だと思った」と褒められると、千葉監督は「前回は編集や音入れや色を決めるなどの撮る以外のことは見てこなかったので、そういう意味では2回目だったので良かったのかもしれない」と返答。また脚本を書いている時の自分と監督を務めている時の自分の違いについては「自分は別人格でしたね」と説明していました。
ロバートの秋山竜次がシリアスな芝居を見せる『撮影/鏑木真一』を手掛けた仲監督は、ホラージャンルに挑戦した理由を聞かれると「私は普段からホラーしか見ないので、監督のオファーが来た時に『やるならばホ ラーだ』と思った」と明かします。
主演に秋山をキャスティングした理由については「秋山さんが大好きで私が大ファンだから。今回はただただ私の好きなことをしただけの作品です」と明かします。
森崎監督が「秋山さんを何故喋らせなかったのか?」と秋山のセリフをゼロにした理由を問うと、衝撃の事実を明かします。
「秋山さんはお忙しいからセリフを覚える時間はないだろうと思って。このスケジュールでは無理だと秋山さんに断られたくなかったので、秋山さんの負担をそぎ落とした結果、セリフをなくしました」
千葉監督は驚きつつ「秋山さんが喋らないのが逆に怖かった!」と仲監督の意図せぬ効果に怯えていました。
清水尋也と芋生悠が共演するビターなラブストーリー『イツキトミワ』を手掛けた福士監督は、監督デビューながらも手応えを感じた様子。
「現場で演出している時が本当に楽しかった。僕は自分の想いを伝える時にどんな言葉にしたら人に伝わりやすいのかを常に考えているので、今回の監督業はそれがそのまま活きた気がします」
森崎監督から「福士監督はコミュニケーション能力が高い方なので、現場での様子が想像できます」と言われると、福士監督は、「演出を伝える中で俳優さんが変わっていく様子が嬉しかった」と嬉々としていました。
音楽にもこだわったといい、「 冒頭の曲を逆再生すると実はラストに流れる曲になる。音楽にもギミックがあるんです」と打ち明けると、仲監督から「なんだか匂わせみたい!」とイジられていました。
中尾ミエを主演に田舎に住む老婆の日常をミュージカル調で描いた『せん』を手掛けた森崎監督は、企画意図について次のようにコメントしています。
「僕にはオリジナルミュージカルの映像作品が日本で増えたらいいという思いが強くあるので、今回の監督オファーをいただいた際は『ミュージカルで!』の一点張りで通しました」
初監督業については「俳優の時とは違う筋肉と違う脳みそが疲れた。でも楽しかった思い出ばかりです」と違いを感じたそう。
ミュージカルシーンについては「現場で歌の音を録る。後日アフレコしない。それが今回の撮影で決めていたルール。俳優の皆さんには苦労をかけたけれど、事前に準備が出来たので現場ではスムーズに行きました」と報告。福士監督から「冒頭のショットが良かった」とドローンでの撮影を褒められると「あのドローン、実は自前です」と打ち明けて3監督を驚かせました。
視聴者からの「俳優としてどの監督の作品に出たいか?」という質問に、千葉監督は森崎監督を選んで「僕はミュージカルが好きなので、ミュージカルで日常を描いた作品に出てみたい」と言い、福士監督も「森崎監督はパッションが気持ちいいので、監督として一緒に仕事をしてみたい」と興味津々で応じます。
森崎監督は「千葉監督の作品からはパワーを感じたので、そんな現場で演じて自分も人々にパワーを届ける一員になってみたい」と千葉監督 を指名。
仲監督は千葉監督を指名するも、「選んだ後に『セリフが長いかも』と思って後悔しています」 と笑わせ、千葉監督が「じゃあ、セリフのない役で...」と冗談めかすと、森崎監督も「その気持ちわかる!僕も長いセリフ嫌だもん!」とジョークを飛ばし、全員大爆笑となりました。
「私は誰かに指示するよりも、指示されてやる方が向いている」という仲監督以外は、次なる監督業に前向き。
森崎監督は「今回とはまた違った視点でミュージカル映画を作りたい。登場人物も増やして撮影日数も増やしてほしい」とアピール。
福士監督も「実はもう次のプロットがあったりして...。アイデアが降って来ちゃうのよ !」とかなり具体的。
千葉監督は「監督をやりたい気持ちはあるけれど、僕は書く方が好きなので監督よりも脚本をやってみたい。ジャンルはファンタジー」と述べました。
1時間以上に亘る座談会もあっと言う間に終了。最後にそれぞれが想いを語りました。
千葉監督は「深いことは考えずに『ハルモニア』を観て明日も頑張ろうと思ってもらえたら嬉しい」。
仲監督は「ホラーが苦手な人も多いかもしれないけれど、苦手な人でも 観られる内容です」。
福士監督は「登場人物を魅力的に撮りたいと思った作品」。
森崎監督は「4作品あるので、そ れぞれの監督の頭の中を覗いてもらえたら嬉しいです」。
『アクターズ・ショート・フィルム』とは?
映画史上BESTにもあげられる『市民ケーン』は、俳優オーソン・ウェルズが25歳のときに監督・出演した作品。以来、北野武、クリント・イーストウッドにいたるまで、俳優が名監督となる例が見られます。日本でも、若手俳優らが監督に挑戦し成果をあげはじめています。監督の意図を最もよく理解し表現できる俳優は、監督としての才能も持ち合わせているのです。
映画のWOWOWが開局30周年を記念し2021年に俳優たちと立ち上げたショート・フィルム・プロジェクト。目指すは「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」のグランプリ受賞、そしてその先です...。
【ルール】1.尺は25分以内 2.予算は全作共通 3.原作物はなし 4.監督本人が出演すること
[番組情報]
『アクターズ・ショート・フィルム4』
●WOWOWオンデマンド:3月1日(金)午前00:00全作品配信開始
●WOWOWプライム:
・3月8日 (金) 午後11:30~ 千葉雄大監督作 放送
・3月15日(金) 午後11:30~ 仲里依紗監督作 放送
・3月22日(金) 午後11:30~ 福士蒼汰監督作 放送
・3月29日(金) 午後11:30~ 森崎ウィン監督作 放送
監督:千葉雄大、仲里依紗、福士蒼汰、森崎ウィン(※五十音順)
主演:一ノ瀬颯・秋山竜次・清水尋也・芋生悠・中尾ミエ・鈴木伸之(※監督の五十音順)
チーフプロデューサー:射場好昭/プロデューサー:樋浦悠真、宮田幸太郎、和田圭介
制作プロダクション:スタジオブルー
製作著作:WOWOW
番組情報:https://news.wowow.co.jp/825.html 番組公式X(旧Twitter):@asf_wowow 番組公式インスタグラム:@asf_wowow
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