『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター』3月22日公開
「2010年ロックの殿堂入り」「1985年『Cliff Hanger』グラミー賞受賞」「2013年『Rebirth』グラミー賞受賞」のレゲエ界の生ける伝説ジミー・クリフの全盛期を収録したドキュメンタリー映画『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター』が、3月22日(金)より新宿シネマカリテほかで全国ロードショー。本稿では、ジミー・クリフの意外な功績について紹介します。
1962年、ジャマイカがイギリスの300年近い統治から独立した年にデビューしたジミー・クリフ。レゲエというジャンルが確立する前から音楽活動を始め、ジャマイカの音楽シーンを支えただけでなく、“レゲエの神様”として広く知られるボブ・マーリーよりも先にデビューを果たし、世界にレゲエを広めた立役者です。
ジミー・クリフは、1972年にジャマイカ初の長編映画『ハーダー・ゼイ・カム』で主人公・アイヴァン役を演じ、映画は世界中でカルト的人気となり大ヒットを記録、タイトル曲「ザ・ハダー・ゼイ・カム」と共に一躍その名を世界に轟かせました。
映画のサントラにも収録された「遙かなる河」は、スバル・レガシィのCMにも起用、日本でも久保田利伸や西城秀樹、小坂忠がカバーするなどよく知られています。
レベル・ミュージック(反逆の音楽)の旗手であるとともに、スタンダードナンバーをカバーする歌い手としても活躍。
ジョニー・ナッシュの「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」のカバーが、ボブスレー競技でオリンピック出場を目指す映画『クール・ランニング』の主題歌して世界中で大ヒット。この楽曲は木村拓哉主演のドラマ「エンジン」のエンディングテーマにも起用されました。
また、映画『ライオン・キング』の「ハクナ・マタタ」でもジミー・クリフの歌声を聞くことができます。
沸き踊る情熱のリズム、永遠なる魂の歌声
キース・リチャーズ、ジョー・ストラマー、マッドネス、ランシド・・・ロックレジェンド・パンクスからも愛される不滅のレゲエヒーロー、ジミー・クリフ。パトカーのサイレンが鳴り響き、燃えさかる街並みを前に「欲をかくものは、全てを失う」と高らかとアジテートする映画は、二大政党JLPとPNPによる激しい抗争の最中、混沌とした熱気に包まれるジャマイカの風景ではじまります。
1980年、故郷サマートンでのフリーライブは、丘を重機でならしステージを一から作るボランティアによる手作りのステージで行われた、地元愛に溢れた素晴らしい演奏。そして南アフリカのソウェト、ドイツのハンブルグと続くツアーに、クルーが密着し、16ミリフィルムにその熱狂を収めていきます。
カルト的人気を得たジミー主演同名映画の楽曲『ハーダー・ゼイ・カム』のほか、日本では車のCM曲で馴染み深い名曲中の名曲『遥かなる河』、ボブ・マーリーへの敬愛を込めて歌う『ノー・ウーマン・ノー・クライ』とセットリストも強力。ヒット曲も多く、ポップな魅力と、キース・リチャーズ、ジョー・ストラマー等々ロック界からも溺愛される反骨精神に溢れた絶頂期のジミー・クリフを堪能できます。
カリブ海の小さな島ジャマイカで生まれたレゲエ・ミュージック。70 年代その“ヤバいリズム”はロック界に大きな衝撃を与え、クラプトンやストーンズ等様々なミュージシャンに多大な影響を及ぼしました。そして英国のパンク・ムーブメントともrebel music(反逆の音楽)レゲエは激しく共鳴し合い、鬱屈した当時の若者達をたちまち虜にしました。
戦争、自然災害、貧困、孤独、未曽有の危機が日常になった現代社会でこそ、“ヤバいリズム”と“刺さるメッセージ”が私たちの心にも刺さります。
『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター』は、3月22日(金)より新宿シネマカリテほかで全国ロードショー。
[作品情報]
出演:ジミー・クリフ、ナディーン・サザーランド、ムタバルーカ、バーバラ・ジョーンズ、ミリアム・マケバ、ボブ・マーリー 監督:ステファン・ポール/編集:ヒルデガルト・シュレーダー 撮影監督 マイク・コンデ、ウド・ヒッツラー、ハインツ・レクサー、ヘリベルト・シュースター 1981 年/ジャマイカ・ドイツ合作/英語/93 分/原題:Bongo Man
提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム 公式サイト:https://jimmy-cliff-movie.com/
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