『Shirley シャーリイ』2024年夏日本公開
小説家ジョセフィン・デッカーの初⻑編 『Butter on the Latch』(2013)に惚れ込んだマーティン・スコセッシが製作総指揮に名乗りをあげ、2020年サンダンス映画祭でUSドラマ部門審査員特別賞を受賞した⻑編第4作『Shirley(原題)』が、邦題『Shirley シャーリイ』として、2024年夏に日本公開されることが決定。あわせて、シーン写真1点が公開されました。
公開されたシーン写真は1点。シャーリイがタバコをふかしながら、不穏な笑みを浮かべる様子を切り取ったもの。知的さの中に闇が垣間見え る、印象的なカットとなっています。
シャーリイを演じたのは『透明人間』『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』などで知られるエリザベス・モス。『シェイプ・オブ・ウォーター』『君の名前で僕を呼んで』などに出演し名バイブレーヤーとしても評価の高いマイケル・スタールバーグ、オデッサ・ヤング(『グッバイ!リチャード』)、 ローガン・ラーマン(『ウォールフラワー』『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』)ら、一流キャストが集結しています。
人間こそ恐ろしい怪物
作家自身のキャラクターを描きながら、まるでジャクスンの小説世界に迷い込んだかのような、幻惑的な映像を作り上げたデッカー監督は、シャーリイ・ジャクスンについて次のようにコメントしています。
「ある批評家か伝記作家が『シャーリイは政治的な作家ではない』と指摘していたが、しかしシャーリイは私的なレベルにとどまりつつ政治を意識していたと思っている。だからこそ彼女の作品は今でも響きものがたり続けるのだ。彼女の作品は非常に人間的だから時代を超えて読まれている。シャーリイは非日常的な設定、心理描写、あるいは潜在意識 に訴える巧みなリズムを使って人種差別、階級差別、性差別と闘っていたのだ」
脚本を手がけたサラ・ガビンズは⻑年、文学とかけ離れたホラー作家として扱われてきたシャーリイ・ジャクスンについて異議を唱えます。
「彼女は数多くの短編や⻑編を残したが、ホラー作品によくある吸血⻤やゾンビや幽霊や神話上の怪物は登場しない。その代わり日常のありふれた 風景の中に恐怖を見出すのがシャーリイの小説の特徴でもある。『人間こそ恐ろしい怪物であり、私たち自身の精神が血に飢えた悪魔的な 妖怪であり、私たちの社会はのどかなパーティーを楽しみつつ石打ちの刑にも加われる気まぐれな人々の集まりである』」
シャーリイ・ジャクスンの伝記を心理サスペンスに昇華
本作は、スティーブン・キングも影響も受けたと言われる稀代の怪奇作家シャーリイ・ジャクスンの伝記に、現代的で斬新な解釈を加えて練り 上げられた、想像力とダイナミズムに満ちた心理サスペンス。彼女の小説だけでなく、配偶者で文芸評論家でもあったスタンリーとの数百通の 手紙をもとに制作されている。
1948 年、『ニューヨーカー』誌上に発表した短編「くじ」が一大センセーションを巻き起こした後、新しい⻑編小説に取り組んでいたシャーリイ (エリザベス・モス)でしたが、なかなかスランプから抜け出せずにいました。
小説の題材になったのは、ベニントン大学に通う18歳の少女・ポーラが突如として消息を絶った未解決の失踪事件。同じくベニントン大学教授である夫のスタンリー・ハイマン(マイケル・スタールバーグ)は、引きこもって寝てばかりいるシャーリイの機嫌をとって執筆へ向かわせようとするもうまくいきません。
そんな二人のもとへ一組の夫妻が居候としてやってきます。文学部でハイマンの補佐として職を得たフレッド(ローガン・ラーマン)は、妻のローズ(オデッサ・ヤング)と共にバーモント州の学園都市へ移住を計画。新居が見つかるまでの間、無料で部屋と食事を提供する代わりに家事や妻の世話をしてほしいとスタンリーに半ば強引に言いくるめられた夫妻は、何も知らずにシャーリイとスタンリーと共同生活を送ることに。
当初は他人が家に上がり込むことを毛嫌いしていたシャーリイでしたが、ひどい扱いを受けても懲りずに自分の世話を焼くローズを通じ、次第に執筆のインスピレーションを得るようになります。
一方、ローズはシャーリイの魔女的なカリスマ性に魅入られ、いつしか二人の間には奇妙な絆が芽生えていきます。しかし、この風変わりな家に深入りしてしまった若々しい夫妻は、やがて自分たちの愛の限界を試されることになるのでした......。
『Shirley シャーリイ』は、2024年夏公開。
[作品情報]
『Shirley シャーリイ』
原題:Shirley
監督:ジョセフィン・デッカー
脚本:サラ・ガビンズ
原作:スーザン・スカーフ・メレル(『Shirley』未邦訳)
撮影:シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン
美術:スー・チャン
編集:デヴィッド・バーカー
衣装:アメラ・バクシッチ
音楽:タマール=カリ
音楽監:ブルース・ギルバート、ローレン・マリー・ミカス キャスティング:ケリー・バーデン、ポール・シュニー
キャスト:エリザベス・モス(『ハースメル』『透明人間』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)/マイケル・スタールバーグ(『ボーンズ アンド オール』『君の名前で僕を呼ん で』)/ローガン・ラーマン(『ブレット・トレイン』『ウォールフラワー』/オデッサ・ヤング『帰らない日曜日』『グッバイ、リチャード!』)
2019年|アメリカ|英語|107 分|アメリカン・ビスタ|字幕翻訳:橋本裕充
©2018LAMF Shirley Inc. All Rights Reserved
配給・宣伝:サンリスフィルム
【公式サイト】 https://senlisfilms.jp/shirley
【公式 X】https://twitter.com/shirleymovie_jp
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