底なしの冷酷さと自我を秘めた作家の証言は信用できるか?『落下の解剖学』本編特別映像

『落下の解剖学』2月23日公開

第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したジュスティーヌ・ トリエ監督の最新作で、本国フランスで100万人越え、第81回ゴールデン・グローブ賞でも2冠を達成したヒューマンサスペンス『落下の解剖学』が2月23日に公開。このたび、本編特別映像が公開されました。

このたび公開された映像は、第96回アカデミー賞で主演女優賞に初ノミネート、カンヌで国際批評家連盟賞を受賞した『ありがとう、トニ・エルドマン』(16)など、演技派で名高いサンドラ・ヒュラーの圧巻の独白シーンを捉えたもの。

 

夫への殺害容疑を向けられた人気作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)へ向け、法廷で次々と繰り出される関係者の証言。一方的にサンドラに不利な証言が繰り広げられる中、彼女はたまらず想いを口にし始めます。

 

 「あなたは法廷に立ち、個人的な意見ながらも言い切ってる。夫がどんな人間で、私たちの問題が何かを。ですが、あなたの言うことは単に全体の一部にしかすぎません」

 

サンドラはドイツ出身ですが、夫の母国フランスで暮らしており、フランス語は得意ではありません。裁判では第二外国語である英語で気持ちを伝えていくしかありません。

 

怒り、悲しみ、苛立ち・・・沸き立つ複雑な感情を抑え込みながらも、はっきりと母国語ではない英語で吐き出していくその表情には、彼女の切実さ、言葉の壁を乗り越え自らを理解してもらおうとする必死さが滲み出ています。果たしてこの彼女の主張は事実なのでしょうか?

 

そもそもサンドラは、フィクションとノンフィクションを交錯させ、リアリティのある物語を作り上げベストセラーを頻発する作家。彼女の知的なポーカーフェイスの下には、どんな本心が隠されているのでしょう?底なしの冷酷さと自我を秘めるザンドラが、観る人全てを疑心暗疑の渦へとひきずりこんでいくようなシーンとなっています。

証人は盲目の息子。殺人事件の真相は?

人里離れた雪山の山荘で、男が転落死しました。男の妻に殺人容疑がかかり、唯一の証人は視覚障碍のある11歳の息子。これは事故か、自殺か、殺人か。事件の真相を追っていく中で、次第に私たちのあらゆる価値感が崩れていきます・・・。

 

『落下の解剖学』は、2月23日公開。

 

 

[作品情報]

『落下の解剖学』

原題:Anatomie d'une chute

監督:ジュスティーヌ・トリエ『ヴィクトリア』 

脚本:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ 

出演:ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール

配給:ギャガ

2023年|フランス|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|152分

字幕翻訳:松﨑広幸|G 

 

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公式 HP:gaga.ne.jp/anatomy 

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