今年は、伝説のロックスターや偉大なジャズピアニストの半生を振り返るものからライブを記録したものまで、続々と話題の音楽ドキュメンタリー映画が公開されます。本稿では、この冬公開される作品からおすすめ6作品を紹介します。
『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター』2月9日(金)公開
“レゲエの神様”ボブ・マーリーの絶頂期を納めたライブ・ドキュメンタリー。1979年7月に母国ジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュで、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのパフォーマンス等が記録されています。
貴重なインタビュー映像からは、差別を嫌い、本当の平和を願う、剝き出しのメッセージが溢れだし、当時のジャマイカのスラム街、カラフルで雑多な街並み、混沌とした気だるい風景はスクリーンから匂い立つようで、極上のトリップ感を体験できます。差別を嫌い本当の平和を願う、魂の歌声と陶酔のリズムが体感せよ!
『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター』3月22日公開
レゲエ界の生ける伝説ジミー・クリフの全盛期を収録したドキュメンタリー映画。
1980年の故郷サマートンにおける地元愛に溢れた素晴らしい演奏フリーライブをはじめ、南アフリカのソウェト、ドイツのハンブルグと続くツアーにクルーが密着し、16ミリフィルムにその熱狂を収めています。
『ROLLING STONE ブライアン・ジョーンズの生と死』1月27日(土)公開
稀代のロックバンド“ザ・ローリング・ストーンズ”の創始者で初代リーダーであるブライアン・ジョーンズ。僅か27歳で終えた波乱に満ちた生涯と謎に満ちた死について、関係者の証言をもとに紐解いていくドキュメンタリー。
1960年代半ば、ブリティッシュ・ロック・シーンを駆け上りスウィンギン・ロンドンを象徴する存在となるも、ドラッグの闇に溺れ、当局とメディアから格好のターゲットとされたブライアン。2年後、彼は「不慮の事故による死」として自宅のプールの底で発見されました。もっとも、死因は他殺だとする陰謀説が数多く浮上、生前のブライアンをよく知る人物たちの声により、その疑惑を掘り下げていきます。
『ストップ・メイキング・センス』 2月2日(金)公開
1983年12月、ハリウッド・パンテージ・シアターでのトーキング・ヘッズ伝説のライブの様子を収めた作品。
デイヴィッド・バーンらによる躍動感溢れるパフォーマンスに、シンボリックな「ビッグ・スーツ」、エキセントリックなダンスとエキサイティングな演出による圧巻の舞台をジョナサン・デミ監督が捉えます。インタビューなど一切を排し、ひたすらに音楽を浴び続ける熱狂の89分が、バンド結成50周年、映画公開40周年を迎える今年、A24配給で4Kレストア版としてスクリーンに復活します。
『オスカー・ピーターソン』 2月2日(金)公開
まもなく生誕100周年を迎える鍵盤の皇帝オスカー・ピーターソンの音楽と人生を綴った伝記映画。
ジャズ史上最も偉大で人気のピアニストのひとり、オスカー・ピーターソン。陽気なキャラクター、聴く者をハッピーにするリズムとハーモニー、そして誰もが憧れる明快で魅力的な音質と超絶技巧・・・しかし明るく魅力的なピアノスタイルの裏には、黒人であるゆえの長きにわたる差別、そして病気との戦いがありました。
本人インタビューのほか、彼の音楽に影響を受けてきたミュージシャンらのほか、家族による晩年の貴重な証言も収録され、彼の知られざる強さや魅力に迫ります。
『フレディ・マーキュリー The Show Must Go On』2月16日(金)公開
派手なステージ・パフォーマンス、4オクターブの音域で知られる「クイーン」のリード・ボーカル、フレディ・マーキュリーのドキュメンタリー。
彼の出生から「クイーン」を結成し世界を席巻した音楽活動、エイズに罹患し45歳の若さで急逝するまでの激動の人生を、貴重な写真や映像、関係者らのインタビューで綴ります。
晩年、エイズに感染しながらもその事実をひたすら隠し続けた真意、「クイーン」メンバーの想いなどを収録。改めてフレディを苦しめた死の真相が解き明かされます。
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