『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』10月6日公開
オペラ最高傑作「ラ・ボエーム」瑞々しさと熱いバイタリティで装いを新たにミュージカルとして描く『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』が、10月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー公開。このたび、オペラカンパニー「モアザンミュージカル」の代表で、本作のプロデューサーを務める長谷川留美子のオフィシャルインタビューが公開されました。
長谷川は、ゴールドマンサックスに19年間勤務し、日本人女性初の共同経営者となったのち、2012年に引退し、オペラ香港の理事を経て、自らのオペラカンパニーを立ち上げた異色の経歴を持っています。
「モアザンミュージカルは、新しいオペラ体験を、オペラファンを超えてさまざまな観客層に提供することを目的としています。現代の観客がオペラを自分の人間ドラマとして没入して鑑賞できる上演スタイルをプロデュースするために設立した」といいます。
そのため、上映時間3〜4時間のオペラの傑作を90分に凝縮。本作でも96分という上映時間に傑作オペラ「ラ・ボエーム」の要素がギュッと詰め込まれています。
今回の「ラ・ボエーム」の映画化については次のように語りました。
「オペラ映画を制作することにより、香港に留まらない新しい観客層をグローバルにアプローチすることができるのです。Covid-19のパンデミックによって、私たちは既成概念にとらわれず、オペラからミュージカルへと新しいオペラへの考え方を生み出すことができました」
登場人物の多くにアジア人を起用した理由については次のように明かします。
「映画制作時期はちょうどコロナが蔓延していく最中で、アジア人に対する差別が横行していました。そこで我々香港を拠点とするオペラカンパニーとしては、あえてアジア人を主人公に打ち出すことにしました」
今後の展望については次のように力強く語りました。
「映画『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』の東京上映をきっかけに、活動の場を日本に広げていくことを目標の一つとしています。日本ではオペラはハイカルチャーとして熱心な観客層がありますが高齢化が進み、若い世代はオペラに触れるインセンティブや機会がほとんどありません。『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』はミュージカル映画として、若い世代が現代のニューヨークのライフスタイルと共に音楽を楽しめるような、新しいオペラ体験を演出します。モアザンミュージカルのライブオペラを通して、日本の方々に生のオペラを観て頂けるような機会を作っていきたいと思っています」
NYを生きる若き4人の芸術家たちの苦悩
本作は、オペラ最高傑作「ラ・ボエーム」の設定を1830年代のパリから現代のニューヨークに置き換え、メインキャラクターにアジア人を据えるなどの大胆なアレンジのもと、これまでにないまったく新しいミュージカル映画として生まれ変わらせました。格差、貧困、マイノリティ、さまざまな生きづらさを抱えながらも夢と情熱で青春の日々を謳歌しようとする若き芸術家たちや恋人たちの姿を、現役のオペラシンガーたちによる圧倒的な歌唱と独創的な映像美で情感豊かに魅せます。
舞台は大晦日のニューヨーク。凍える寒さの屋根裏部屋で、その日暮らしの夢見る4人の芸術家たち。その中の一人、詩人のロドルフォが部屋に残っていると、隣人のミミが彼の火を借りにやって来て、2人はたちまち恋に落ちます。同じころ、店で仲間と新年パーティーをしていたマルチェッロは、偶然やってきた元恋人ムゼッタと再会。最初は戸惑いつつも、2人の間にはかつての強い愛が蘇るのでした。運命的な出会いを果たした、ミミは重い病に侵され、ロドルフォはそんな彼女のもとを立ち去ります。同じころ、ムゼッタとマルチェッロも嫉妬心から別れを迎えていました。すれ違う2組の恋人たち。そしてそれぞれ別の道を選んでいくのですが…。
どんな苦境にも前を向き、儚くも情熱的な日々を懸命に生きる若者たちの青春群像劇は、パンデミックという底知れぬ不安を経験し、その影響でひろがった格差や貧困の余波に身を置く私たちに今だからこそ響きます。
『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』は、10月6日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー公開。
[作品情報]
『ラ・ボエーム ニューヨーク愛の歌』
原題:『La bohème: A New York Love Song』
監督:レイン・レトマー
作曲:ジャコモ・プッチーニ
音楽監督:ショーン・ケリー
製作:モアザンミュージカル(長谷川留美子)
出演:ビジョー・チャン、シャン・ズウェン、ラリサ・マルティネス、ルイス・アレハンドロ・オロスコ、井上秀則、アンソニー・ロス・コスタンツォ、イ・ヤン
2022年/香港・アメリカ/スコープサイズ/96 分/カラー/伊語/5.1ch
日本語字幕翻訳:古田由紀子
配給:フラニー&Co. シネメディア リュミエール/映倫区分G
公式サイト:la-boheme.jp
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