『ティル』12月15日公開
1955年8月28日に、アメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで起きた「エメット・ティル殺害事件」。アフリカ系アメリカ人による公⺠権運動を大きく前進させるきっかけとなったこの事件をもとに初めて劇映画化された『Till』が、邦題『ティル』として、12月15日(金)より日本公開決定。本ポスターと場面写真が公開されました。
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製作には、黒人俳優として世界的な人気を誇るウーピー・ゴールドバーグ、『007』シリーズのスタッフら超一流陣が名を連ね、公開されるやいなや、各国の映画祭で賞賛の嵐が巻き起こり、主要60映画祭21部門受賞86部門ノミネートで賞レースを席巻しました。
なかでも、主人公メイミー・ティルを演じたダニエル・デッドワイラーは、ゴッサム・インディペンデント映画賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、サテライト賞など、数々の映画賞で女優賞を総なめにしており、映画批評サイトRotten Tomatoesでも批評家96%・観客97%の高スコアをたたき出しています。
このたび公開された本ポスターは、母子が力強く抱擁する姿を捉えたもの。それぞれをかけがえのない存在として共に生きる2人の強い愛情が滲み出てくるものとなっています。
シーン写真は7点。メイミーが息子を心配しながらも旅へと送り出す様子のほか、その後“アメリカ社会”に毅然と立ち向かう母親メイミーの様子、ほか製作にも名を連ねるウーピー・ゴールドバーグがメイミーの母親を演じる様子などが切り取られています。
エメット・ティル殺害事件の現代社会への影響
1955年8月28日にアメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで起きた「エメット・ティル殺害事件」は、アフリカ系アメリカ人による公⺠権運動を大きく前進させるきっかけとなったことで知られています。14歳黒人少年エメットが白人女性に対して「口笛を吹いた」という理由で拉致され、激しいリンチを受けて殺されたあげく、遺体は川に投げ捨てられました。愛息を失った底知れぬ絶望を胸に、多くの黒人の生活を脅かすアメリカ社会にたった一人で立ち向かった母メイミーの大胆な行動力は、人々に勇気を与え、キング牧師らが率いた公⺠権運動を一気に加速させる原動力となったのです。
21世紀に入り、2020年「ジョージ・フロイド殺害事件」を契機に、BLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動がアメリカ国内のみならず、SNS を通じて日本を含む全世界に拡大しました。黒人をはじめ著名人、セレブ、Z世代にいたるまで実に多くの人々が声を上げた大規模なこの抗議運動のうねりは、2022年3月、人種差別に基づくリンチを連邦法の憎悪犯罪(ヘイトクライム)とする「エメット・ティル反リンチ法」成立へと繋がっていくのです。
14歳の黒人少年エメット・ティルの犠牲と母メイミーの存在は、60年以上の時をかけてアメリカ社会に変革をもたらしました。これは、息子を愛する一人の母親の愛と正義の物語であり、同時に、自由と人権を求めて世界を変えた一人の人間の魂の実話という意味でも価値がある作品です。
ひとりの母親の行動力が公民権運動を推進
舞台は、1955年、イリノイ州シカゴ。夫が戦死して以来、空軍で唯一の黒人女性職員として働くメイミー・ティル(ダニエル・デッドワイラー)は、一人息子で14歳のエメット:愛称ボボ(ジェイリン・ホール)と平穏な日々を送っていました。
しかし、エメットが初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こります。エメットが飲食雑貨店で白人女性キャロリン(ヘイリー・ベネット)に向けて「口笛を吹いた」ことが白人の怒りを買い、1955年8月28日、彼は白人集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられたのです。
我が息子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、常識では考えられないある大胆な行動を起こします。そんな彼女の姿は多くの黒人たちに勇気を与え、一大センセーションとなって社会を動かす原動力となっていきます…。
『ティル』は、12月15日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。
[作品情報]
『ティル』
原題『TILL』
製作:ウーピー・ゴールドバーグ(『天使にラブ・ソングを...』)、バーバラ・ブロッコリ(『007』シリーズ)
監督・脚本:シノニエ・チュクウ
出演:ダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェイリン・ホール、ショーン・パトリック・トーマス、ジョン・ダグラス・トン プソン、ヘイリー・ベネット
2022年/アメリカ/シネマスコープ/130分/カラー/英語/5.1ch
字幕翻訳:風間綾平
PG-12
配給:パルコ ユニバーサル映画
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公式 X アカウント:@TILL_MOVIE1215