セクハラを告発しようと試みるも…新人女性アシスタントのリアルな1日『アシスタント』予告編

『アシスタント』6月16日公開

『ジョンベネ殺害事件の謎』(17)で知られるドキュメンタリー映画作家のキティ・グリーンがハリウッドを発端に巻き起こった「#Me Too運動」を題材に制作した映画『アシスタント』が、6月16日(金)より新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開されます。このたび、予告編が公開されました。

公開された予告編は、“夢の仕事についたはずだった”ジェーンのある1日を切り取ったもの。

 

名門大学を出たにもかかわらず、彼女は組織で最も力のないヒエラルキーに属するがゆえ、クリエイティブな仕事は一切やらせてもらえません。

 

仕事といえば、誰でもできるような雑用ばかり。電話に出る、コピーをとる、郵便物を開ける、コーヒーを淹れる、掃除をする......「下っ端だから」「女性だから」と目に見えない差別による役割分担とルーティンに追われ、次第に自尊心を奪われ無力感を覚えていきます。

 

そんな中、会社のトップの不正を確信したジェーンは「会⻑が新人アシスタントのホテルに......」と性的搾取の可能性を人事部へ訴えかけるも――。

 

シャンタル・ア ケルマン『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コメルス河畔通り 23 番地』(1975)にインスパイアされた本作。ほぼセリ フなしで一人の女性の感情の揺れを、淡々と仕草や表情の微妙な変化だけで見せるジュリア・ガーナーの演技にも注目です。

社会に蔓延するパワハラ、性的虐待システムへの告発

本作は『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(22)にも連なる、職場のパワハラや性的虐待を許容し蔓延させているシステムへの痛烈な告発とも言える作品。

 

名門大学を卒業したばかりのジェーン(ジュリア・ガーナー)は、映画プロデューサーという夢を抱いて激しい競争を勝ち抜き、有名エンターテインメント企業に就職。業界の大物である会長のもと、ジュニア・アシスタントとして働き始めます。

 

 

しかしそこは、華やかさとは無縁の殺風景なオフィス。早朝から深夜まで平凡な事務作業に追われる毎日。常態化しているハラスメントの積み重ね……しかし、彼女は自分が即座に交換可能な下働きでしかないということも、将来大きなチャンスを掴むためには、会社にしがみついてキャリアを積むしかないこともわかっています。

 

ある日、会長の許されない行為を知ったジェーンは、この問題に立ち上がることを決意するも――。

 

ニューヨーク・タイムズスクエアの裏手にある薄汚れたオフィスで、18日間という短期間で撮影された本作。映画プロデューサーを目指して大手エンターテイメント会社で働き始めた若く野心ある新人アシスタントの一日の物語を通して、映画業界を舞台にしながら、さまざまな職場が抱える問題とヒエラルキー最下層の人々に共通する経験を浮き彫りにし、サンダンス・ベルリンを始めとした世界中の映画祭や各メディアによって高く評価されました。

 

『アシスタント』は、6月16日(金)より新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開。

 

[作品情報]

『アシスタント』

原題:The Assistant

監督・脚本・製作・共同編集:キティ・グリーン

出演:ジュリア・ガーナー、マシュー・マクファデイン、マッケンジー・リー 

製作:スコット・マコーリー、ジェームズ・シェイマス、P・ジェニファー・デイナ、ロス・ジェイコブソン|サウンドデザイン:レスリー・シャッツ |音楽:タマール=カリ|キャスティング:アヴィ・カウフマン|2019年|アメリカ|英語|87分|2:1|カラー| 

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配給・宣伝:サンリスフィルム