『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』
今年で第3回目を迎える「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」が、3月17日(金)より開催中。3月19日(日)には『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』の舞台挨拶に、映画に出演している鮎川誠の3人の娘たちと孫(長女・陽子さん、次女・純子さん、三女・知慧子さん、孫・唯子さん)、寺井到監督が登壇し、今年1月29日に膵臓がんで急逝した鮎川誠との思い出やシーナ&ロケッツへの想いなどを語りました。
本作品は、福岡発のロックバンド「シーナ&ロケッツ」のヒストリーと家族愛を描いたドキュメンタリー。
鮎川ファミリーは革ジャンスタイルで登壇。知慧子は「革ジャンは中学生になったら一人一着は持っていなければいけないものと母から教わりました。今日着てきたものは、シカゴで両親が購入した革ジャンを母から譲り受けたものです。今では大切な形見」と解説しました。
念願の作品上映に、陽子は「シーナ&ロケッツとして両親が今までやってきた音楽などを映画にまとめていただき嬉しく思います。お父さんは最後までロックを貫いた。そんな姿を映像に収めていただけて嬉しい」と感動した様子。
知慧子は「本来この場所に立っているのは鮎川誠本人だったはず。公開のタイミングで亡くなってしまい驚いたが、寺井監督には熱い熱のこもった作品を作ってもらえて嬉しい」と感謝しました。
純子は「どのシーンも胸が熱くなって、お父さんもカッコ良くて。昨年11月23日に行われたシーナ&ロケッツ45回目のバースディLIVEのシーンも出て来て、胸が熱くなって言葉では上手く言い表せませんでした」と鮎川誠を偲んでいました。
家族にとってのシーナ&ロケッツとはという質問には「愛と正義と勇気のカッコいいバンドです」(陽子)。「パンク、ロック、ブルース。愛と正義。心が温かくなる魅力たっぷりのバンド」(知慧子)。「子供の頃から見てきたバンドで、今までもこれからも世界で一番カッコいいロックバンド」(純子)。「まこちゃん(鮎川誠さん)はキラキラと輝いていて誰が見てもロックでカッコ良くて、私にもみんなにも優しい。 いつも笑顔でロックしている人」(唯子)と答えました。
唯子の母・純子は、「私も子供の頃から両親のツアーで全国を回ったけれど、まさか自分の娘を連れて回れるとは思わなかった。最高の思い出を娘と体感できたのは幸せなことでした」と喜んでいました。
鮎川誠さんのファンで鮎川さんは地元の憧れの人だったという寺井監督は次のようにコメントしています。
「鮎川誠さんは今年の1月に残念なことにご病気でお亡くなりになられたが、そのようなタイミングで取材が出来たのも何かの御縁とお導きがあったからだと思う」
鮎川誠は闘病を最後まで公表せず、寺井監督は「取材をしていた僕自身もご病気だとは気づかず、きついという雰囲気すらも周囲に感じさせなかった。痛みがあって辛かったと思うけれど、最後まで普段と変わらず、朗らかで誰にでも優しかった。それがどれだけ凄いことなのか、今になって実 感しています」と意志の強さに敬服。
また寺井監督は、昨年2月から行った取材を通して「ご家族の関係や生き方自体がこんなにカッコいいとは知らなかった。鮎川さんは最後まで音楽を続けたいと望み、ご家族もその意思を汲んで周りには何も言わずに支え続けた。使用してない素材はまだまだあるので、もっとたくさんの人にこの作品が伝わるよう、これからも作業を続けていきたいです」とさらなる制作に意欲を燃やしていた。
陽子は「寺井さんは長い間ずっと取材をしてくださり、お父さんが病気でも頑張る姿も取材してくれました。色々な思い出が詰まっているドキュメンタリーなので沢山の方々に見ていただきたいです。キープ・オン・ロッキン!」とアピール。
知慧子も「寺井監督が熱い心のこもったドキュメンタリーに仕上げてくれたので、最後の瞬間まで楽しんでほしい」と期待を込めました。
純子は「まだ悲しい気持ちはあるけれど、最高な思い出ばかりなのでそれを胸に頑張りたいです」と前向きにコメント。
唯子は「みんなに映画を観てもらえる嬉しさが顔に出ちゃう」と笑わせつつ「瞬きする間にもとても良い瞬間があるので、何度も沢山見て理解してほしいです」と呼び掛けました。
鮎川誠の誕生日である5月2日に下北沢シャングリラで追悼ライブが決定。
知慧子は「お父さんが亡くなって複雑な心境でシーナ&ロケッツが今後どうなっていくのかも未定ですが、もう一度だけ聴きたいとか、お父さんへの追悼の気持ちやみんなで頑張るという思いを表してライブをやりたい」と意図を説明し、純子も「5月2日はお父さんの誕生日でもあるので、みんなでハッピーに音を出して愛を一か所に集めてお父さんに届けたい。ぜひ遊びに来てください」とアピールしていました。
TBSの新ブランド“DOCS”
劇場公開や映画祭での上映などドキュメンタリー映画を発表し続けているTBSの新ブランド“DOCS”(DOCUMENTARY FILMS の略称)は、2021年よりドキュメンタリー作品だけの映画祭「TBSドキュメンタリー映画祭」を開催、全22本を上映しました。
第2回となる昨年3月開催の「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」では、クライマー・山野井泰史の壮絶な人生に迫った『人生クライマー 〜山野井泰史と垂直の世界〜』や、30歳を目前に控えたアイドルグループ・ももいろクローバーZを追った『ももいろクローバーZ 〜アイドルの向こう側〜』、社会に衝撃を与えた暴走事故を3年にわたり追い続けた『池袋母子死亡事故「約束」から3年』など、幅広いテーマを扱ったドキュメンタリー全11本を発表しました。
[開催概要]
「TBS ドキュメンタリー映画祭 2023」
3月17日(金)より東京、大阪、名古屋、札幌にて順次開催
●東京:ヒューマントラストシネマ渋谷/3 月 17 日(金)〜30 日(木)
●大阪:シネ・リーブル梅田/3 月 24 日(金)〜4 月 6 日(木)
●名古屋:伏見ミリオン座/3 月 24 日(金)〜4 月 6 日(木)
●札幌:シアターキノ/4 月 15 日(土)〜21 日(金)
■映画祭公式 HP https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/
■Twitter TBS_DOCS