「不完全な自分を愛することが重要」──『ガール・ピクチャー』監督がエール

リアルな少女時代描く『ガール・ピクチャー』

第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞、第95回(2023年度)アカデミー賞国際長編映画賞部門フィンランド代表の⻘春映画『ガール・ピクチャー』が4月7日(金)に公開。このたび、監督からのメッセージとシーン写真が公開されました。

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公開されたシーン写真は、いずれも、世界中のどこにでもいる10代の少女たちの日常を切り取ったもの。

 

気のおけない友人との夜更かしやパーティ前のおめかしの様子、お出かけ、スムージーショップでのアルバイト…かけがえのない瞬間を切り取っています。

 

デニムオンデニムやカチューシャなど、80 年代ファッションを思わせるレトロキュートな少女達にも注目です。

 

本作を手がけたアッリ・ハーパサロ監督は、かつての10代、そして今まさに悩める10代を送る若者達に向けてコメントしています。

      

「私にとって10代で一番大変だったのは、自分の不完全さを受け入れることだったと思います。自分が何者であるのかを知らなければならないと思っていましたし、高校を卒業した18歳のころ(この映画の主人公たちもこの年齢です!)には、成熟した大人にならなければならないと思っていました。私は学校の成績が良かったし、年齢の割には成熟していました。だから自分に対する期待も大きかったし、完璧主義的なところもあった。後になって、自分の完璧でないところも受け入れるようになりました。完璧でないから人間として興味深い存在になるんですよね。また今は、人が“完全になる”なんて思っていません。“完全になった”とか“準備が整った”と感じることを期待すること自体がバカバカしい。私たちはみんな、進化の過程にあるんですよね。いつになっても自分のアイデンティティを見出せないでいるのかもしれない」

 

「思春期はとても大変だと思うんです。“いろんなことが分かった”段階に到達しなければというプレッシャーを感じながらも、まだ幼いゆえに、それを可能にする視点もない。今の10代の子供たちも、同じプレッシャーを感じていると思います。もしかしたらそのプレッシャーは、私の若い頃よりも強いかもしれませんね。今の若い子たちは、学校でどんなことにフォーカスするかをかなり早い時点で決めなければなりません。だから、もっと早い段階で成功しなければならないというプレッシャーもあります。このプレッシャーのために多くの若者は燃え尽きてしまうんです。もっと気楽に構えて。自分自身を不完全な人間として愛することが重要です」

現代少女たちのリアルな青春ポートレート

本作品は、今を生きるティーンエイジャーはもちろん、かつてティーンだった大人たちの心にも刺さる、みずみずしさに溢れた北欧発の青春映画。

 

最初の金曜日、同じ学校に通う親友のクールでシニカルなミンミ(アーム・ミロノフ)と素直でキュートなロンコ(エレオノーラ・ カウハネン)は、放課後スムージースタンドでアルバイトしながら、恋愛やセックス、そして自分の将来についての不安や期待にまつわるおしゃべりを楽しんでいます。

 

「男の人と一緒にいても何も感じない自分は、みんなと違うのでは?」と悩み続けていたロンコは、理想の相手との出会いを求めて果敢にパーティーへ。一方、ロンコの付き添いでパーティーにやってきたミンミは、大事な試合を前にプレッシャーに押しつぶされそうなフィギュアスケーターのエマ(リンネア・レイノ)と急接近します──。

アカデミー賞フィンランド代表、サンダンスで観客賞を受賞

感情的ではあっても心優しいミンミを演じるのは、12歳から俳優業をスタートし『エデン』(ウラ・へイッキラ 監督/20)で初主演を務めた2000年生まれのアーム・ミロノフ。

 

静かなたくましさを持つロンコ役を、俳優、ダンサー、シンガーでもあり、舞台俳優として活躍し、本作が⻑編映画デビューとなるエレオノーラ・カウハネンが。

 

フィギュアスケートに⻘春を注いできたエマ役に、ドラマや映画で活躍中のリンネア・レイノが好演しています。

 

3度の金曜日を過ごす少女たちの物語は、アールト大学在学中に出会ったという気鋭の脚本家ダニエラ・ハクリネン、イロナ・アハティが、自身の経験も振り返りながら綴っています。

 

監督は、自分の声を見出していく女性作家を描いた映画『Love and Fury』(16)でデビュー、強い女性たちが主導するストーリーを生み出しているアッリ・ハーパサロ。ノーベル平和賞を受賞した社会運動家のジェーン・アダムズにちなんで名づけられたシチズン・ジェーン・プロダクションにより製作され、第38回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマ部門観客賞を受賞、第95回アカデミー賞国際⻑編映画賞部門のフィンランド代表に選出されました。

 

『ガール・ピクチャー』は、4月7日(金)公開。

[作品情報]

『ガール・ピクチャー』

原題:Tytöt tytot tytöt

監督:アッリ・ハーパサロ 

脚本:イロナ・アハティ、ダニエラ・ハクリネン 

出演:アーム・ミロノフ、エレオノーラ・カウハネン、リンネア・レイノ

2022年/フィンランド/100 分/カラー/スタンダード/5.1ch//PG12

日本語字幕:松永昌子 

配給:アンプラグド 

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