ジャッロの帝王 ダリオ・アルジェント監督の最新作
『サスペリア』(77)、『フェノミナ』(84)、『サスペリア PART2』(75)を生んだ巨匠、ダリオ・アルジェント監督の最新作『Occhiali neri(原題)』が、邦題『ダークグラス』として4月7日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサほかで全国順次公開されることが決定。このたび、場面写真とアルジェント監督のコメントが公開されました。
70年代後半、『ゾンビ』(78)のジョージ・A・ロメロや『キャリー』(76)のブライアン・デ・パルマらと肩を並べ、世界中で熱狂的ファンを獲得し、ジェームズ・ワン、クエンティン・タランティーノ、エドガー・ライトらが敬愛してやまないホラー界の巨匠、ダリオ・アルジェント監督。
近年では、『ボーンズ アンド オール』(22)、『君の名前で僕を呼んで』(17)のルカ・グアダァニーノ監督が、『サスペリア』を18年にリメイクし大ヒットしたことも記憶に新しいところ。そんなふうに、アルジェント作品は現代まで愛され、あらゆる映画人に影響を与え続けた“ホラー映画の原点”ともいえます。
そんな御年82歳のレジェンド監督の最新作が、『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(12)以来、実に10年ぶりにスクリーンで上映されることとなりました。
待望の最新作は、自身のルーツである“ジャッロ”(フロイトの精神分析理論の映像化を原点とする、エロ・グロをふんだんに盛り込んだホラー・サスペンス)に立ち返った、イタリアン・ホラー。しかも、2000年代初頭にフランコ・フェリーニとの共同で脚本を執筆しながら製作サイドの事情で中止を余儀なくされた幻の企画を実現しました。
全盛期を彷彿させる出来に称賛の声!
本作品の舞台はローマ。盲目の娼婦と中国人の少年がサイコパスの殺人鬼から執拗に追いかけられ続け、とにかく殺されないよう逃げ惑う物語です。
自身の作品へのオマージュともいえる原点回帰となった本作品は、狂気と鮮血、鮮やかな色彩、不穏な音楽とファン垂涎のアルジェント節全開で、2022年ベルリン国際映画祭のプレミアでお披露目されるや海外メディアから「堪能すべき、素晴らしい復帰作!―moviefreak.com」「かつてのアルジェントらしさが溢れている―Hollywood Reporter」「アルジェント史上最も奇怪で、奇妙なほど美しい―Los Angeles Times」と称賛の声が上がっています。
主人公である盲目の娼婦ディアナを演じたのは、『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(15)でイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィド・ディ・ドナテッロ賞の主演女優賞を受賞した、イレニア・パストレッリ。
そしてアルジェントの娘、アーシア・アルジェントがディアナを支える歩行訓練士役を演じ、アソシエイトプロデューサーを兼任。
ノスタルジックなムード漂う音楽は『BPM ビート・パー・ミニット』(17)でセザール賞を受賞したアルノー・ルボチーニが手がけています。
アルジェント監督の集大成
今回、ダークグラスをかけたディアナを捉えた場面写真一点とともに、アルジェント監督のコメントも到着。幻の脚本を単に現代的にするのではなく、自身のスタイルを貫いたことで集大成と位置づけていることを明言しています。
「『ダークグラス』は、数年前に想像したものの、制作することができなかった作品です。でも頭から離れることはありませんでした。バイオレンスでくだらない作品を求める市場での需要に左右されることが難点でした。一方で、ようやく自分の悪夢との和解を経験することができました。それ故に、私は恐怖の扉を開き、突き進もうと決めたのです。幼少期からエドガー・アラン・ポーに影響を受けていた私にとって、『ダークグラス』は、運命に刻まれた作家としての旅路の集大成です。そして時代が変わったからといって、物語の本質も解釈のスタイルも裏切りたくはないのです」
『ダークグラス』は、4月7日(金)全国公開。
[作品情報]
『ダークグラス』
原題:Occhiali neri
監督:ダリオ・アルジェント
脚本:ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
音楽:アルノー・ルボチーニ
出演:イレニア・パストレッリ、アーシア・アルジェント、シンユー・チャン
提供:ロングライド、AMGエンタテインメント
配給:ロングライド 公式サイト: https://longride.jp/darkglass/