「恵比寿映像祭2023」テーマは「テクノロジー?」
2009年以来毎年、東京・恵比寿で、展示、上映、ライヴ・パフォーマンス、トーク・セッションなど映像とアートを複合的に扱う国際フェスティヴァルの第15回目『恵比寿映像祭2023』が、2月3日(金)より2月19日(日)まで開催中です(月曜休館、3階『コミッション・プロジェクト』は3月26日まで)。
アートと映像の表現プラットフォームとして、新たな事業がスタート。 映像文化の創造と紹介・体感の場としてのフェスティヴァルが、さらに活性化!
本映像祭では、映像という言葉を限定的に用いるのではなく、映像をめぐる様々な選択肢に目をむけ、多様化する映像表現と映像受容の在り方をあらためて問い直してきたそう。
毎年、テーマや「映像とは何か」という問いを投げかけながら、国内外の映像表現を紹介する中で、今回は新進アーティスト4名による新作映像から特別賞を選ぶ「コミッション・プロジェクト」や、シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT)との連携をはじめとするいくつかの新たな試みを開始。
タイトルも「テクノロジー?」として、これまで高精細を目指してすすんで来た映像技術に疑問を投げかけ、あえて手作りの感触を含めることで臨場感や対話を生み出すといった“技術との対話の可能性”を追求しようという意気込みがうかがえます。
そのほかにも、実験映画作家ジョナス・メカスの特別上映や、レーザーディスクによるリピート上映、ワークショップなど多岐に亘ります。
時代ごとのテクノロジー(技術)を紐解く
誰もがスマホで映像を撮影できてしまうように、産業や既存の規格によって写真や映像のような技法は標準化されてしまいます。しかしあえてそれに疑問符を投げかけ、見え方や成り立ちに手を加え、新しい表現の可能性を探ります。
写真や映像のイメージは、意識して覗き見なければ見えないままに表象のみが流通してしまいます。技術の裏側に何があるのか、いかにして表現が成り立っているかなど、その相関関係に目を凝らします。
身体や視点を拡張させるテクノロジー
私たちは映像を見る時、テクノロジーを介して視覚や身体の拡張体験をしています。生まれた時からデジタルに囲まれ、コミュニケーションもデジタル上で交わされることが当たり前となった世代からは、ジェンダーも国籍も哲学もすべて越境するような思想が生まれ、その共通言語が存在していると言えるでしょう。そんなリアリティとテクノロジーの間を駆け抜ける文化について、本質的な問いを投げかけます。
都市や自然のナラティヴ(物語性)に潜むテクノロジー
都市は、歴史や個人の記憶、自然環境の変化といった様々な物語を抱えつつも、人工的な有機体としての役割を担っていると言えるでしょう。そんな、都市や自然の諸相をめぐるアーティストたちの表現や、そこに向けられた機械の眼などを歴史的に考察します。
『恵比寿映像祭2023』は、2月3日(金)より2月19日(日)まで開催中。
(取材・特記ない写真・文:遠藤)
[開催概要]
恵比寿映像祭2023「テクノロジー?」
Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions 2023, ‟Technology?”
会期:2023年2月3日(金)~2月19日(日)《15日間》
時間:10:00~20:00(最終日は18:00まで) ※それぞれ入館は閉館の30分前まで
休館:毎週月曜日
コミッション・プロジェクト(3F展示室)のみ、3月26日(日)まで開催 時間は、10:00~18:00(木金のみ20:00まで)
会場:東京都写真美術館/恵比寿ガーデンプレイス センター広場/地域連携各所ほか
主催:東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/日本経済新聞社
共催:サッポロ不動産開発株式会社/公益財団法人日仏会館
後援:在日スイス大使館/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本/ 株式会社TBSホールディングス/J-WAVE 81.3FM
協賛:リトアニア文化会議/EU・ジャパンフェスト委員会/サッポロビール株式会社/ 東京都写真美術館支援会員
協力:在日リトアニア共和国大使館/Jonas Mekas 100 !
公式HP www.yebizo.com
Twitter: twitter.com/topmuseum/
Instagram: instagram.com/yebizo/
料金:無料
※一部(上映など)のプログラムは有料
〇上映(東京都写真美術館1Fホール) 料金:800円(前売)/1,000円(当日)
〇スペシャル上映: ジョナス・メカス―3章のフィルム・プログラム(東京都写真美術館1Fホール) 料金:1,500円(前売)/1,800円(当日)