すぐそばにいるのに、逢えない──切ないラブストーリー『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』予告編

恋愛映画のヌーヴェルヴァーグ『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』

16mmフィルムを使い絵画のような美しさの映像、丸みを帯びたジョージア文字を使ったアイデア、ほんのり心温まるラスト──第22回東京フィルメックスで最優秀作品賞と学生審査員賞をW受賞した『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』が、4月7日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺他で公開されます。このたび、予告編と本ポスターが届きました。

公開された予告編では、薬剤師のリザとサッカー選手のゲオルギの出会いとかけられた呪いに並行してジョージアの街並みや人々の何気ない日常をとらえています。

 

すれ違いざまに落とした本を拾ったことがきっかけでデートの約束をするシーン、そしてジョージア旧市街の建造物に彫られた「邪悪な目」の呪いによる外見の変化、リザがお弁当に作る丸型のハチャプリ(ジョージアのチーズ入パン)、そして再びの出会い…。見る者は恋の呪文が奏でられたかのように煌めくハープの音色で魔法にかけられ、そんな二人の行く末を見守ることになります。

 

ジョージア独特の穏やかな日常と、どこを切り取っても美しい映像、斬新なカメラワークが影響して、遠い国の絵本のページをめくっているようで、呪いによる悲壮感もおとぎ話のようにややコミカルに転じて描かれます。

 

当人たちは戸惑いながらも平常心で過ごそうとする姿がどこか運命を受け入れているかのように牧歌的。サッカー観戦に沸く犬たちと人々が行き交うのんびりとした街を象徴するように、少しずつ物語が進みます。

 

仕事を変えざるをえなくなり、カフェでアイスクリームを売ることになったリザと、そのすぐそばの白い橋でぶら下がり棒の管理人にスカウトされたゲオルギ。出会いのその先が阻まれたふたりは、約束のカフェでお互いに気づく日が果たして来るのでしょうか...?

 

 

日本版本ポスタービジュアルは、予告編の冒頭にある主人公2人の出会いのシーン写真を基調としたデザイン。一目惚れしたはずの二人の足元のみを映し出す、“顔のない”斬新なボーイ・ミーツ・ガールのシーンが特徴的で、丸みを帯びた異国を感じさせつつも可愛らしいグルジア文字、外見変化後のふたりの姿と、街の犬たちのさりげないイラストが華を添えています。

ジョージアから届いた恋愛映画のヌーヴェルヴァーグ

本作は、「呪い」と「一目惚れ」という不思議な現象を軸に、一見関係の無さそうないくつかのストーリーが展開され、ラストで収束されていきます。これまで日本で上映されてきたジョージア映画とは明らかに異なる、未来を向く感性で彩られたファンタジックな味わいと温かな手触りのラブストーリーとなっています。

 

街中ですれ違いざま本を落としたリザと拾ったギオルギ。たった数秒、言葉を交わしただけの2人は、夜の道で再会します。あまりの偶然に、名前も連絡先も訊かないまま、翌日白い橋のそばにあるカフェで会う約束だけをします。しかし邪悪な呪いによって、翌朝2人は目覚めると外見が変わってしまいます―それでもリザとギオルギは約束したカフェに向かい、現れない相手を待ち続けます。待ち人も姿が変わっているとは知らずに...。

 

この大人のおとぎ話の舞台となるのは、ジョージア第三の都市・クタイシ。旧市街の建築物や印象的な橋、ヒロインがお弁当に用意する伝統的なジョージアのパン“ハチャプリ”、新作映画のために街でカップルを探すカメラマン、メッシファンの子供たちやサッカー観戦が趣味の野良犬たち。それぞれが織りなすオムニバス小説のようなストーリーがやがてひとつになり、恋の魔法が現実のものとなります。

 

ホン・サンスのようなカメラワーク、ウディ・アレンのごとくロケ地の魅力満載の映画です。

 

『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』が、4月7日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺他で公開。

[作品情報]

『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』

What Do We See When We Look at the Sky?(英題)

監督:アレクサンドレ・コベリゼ 出演:ギオルギ・ボチョリシヴィリ, オリコ・バルバカゼ,

ギオルギ・アンブロラゼ, アニ・カルセラゼ, ヴァフタング・パンチュリゼ 音楽:ギオルギ・コベリゼ

原題:რას ვხედავთ, როდესაც ცას ვუყურებთ?

© DFFB, Sakdoc Film, New Matter Films, rbb, Alexandre Koberidze 

公式サイト:https://georgia-cafe.com/

Twitter:@JaihoTheatre

2021年│ドイツ、ジョージア│ジョージア語│カラー│5.1ch│150 分│配給:JAIHO