押井守審査委員長、『新潟国際アニメーション映画祭』コンペティション部門に期待

『新潟国際アニメーション映画祭』ノミネート作品決定

⻑編商業アニメーションにスポットを当て、⻑編アニメーション映画のコンペティション部門をもつアジア最大の祭典として新潟から世界へアニメーション文化を発信する映画祭『新潟国際アニメーション映画祭』が3月17日より22日に開催されます。このたび、コンペティション部門参加作品、本ポスタービジュアルが公開され、審査委員長・押井守監督がコメントを寄せました。

コンペティション部門には、2022年11月1日より国内外に作品募集のアナウンスが行われ、12月23日の締め切りまでに日本をはじめフランス、米国、アルジェリアなど世界15ヶ国から21作のエントリーがあっりました。年末年始に選考委員たちによる 厳正な審査が行われ、10本の参加が決定。

 

その見どころについて、プログラミング・ディレクターの数土直志は次のように期待を込めました。

 

「世界のアニメーションの潮流を体現する良質な作品が多数集まりました。映画祭が参加者のあらゆる意味で刺激する場になることは間違いないでしょう」

 

また、このラインナップについて、審査委員長を務める押井守監督(『GHOST IN THE SHELL/ 攻殻機動隊』『イノセンス』)は、次のようにコメントしています。

 

「この映画祭は⻑編映画に絞ったコンペティションということで、大作過ぎずアート寄り過ぎず、これまで受け皿がなかった作品にスポットライトがあたることを期待しています」

作り手のための「大川=蕗谷賞」創設決定!

本映画祭のもう一つの特徴として、毎年、アニメーションの技術職のスタッフ、そして企業・スタジオを選出し、その業績を映画祭で顕彰する「大川=蕗谷賞」の創設がります。

 

大川博は、1957年当時、東洋最大といわれる東映動画スタジオを立ち上げ、日本初の⻑編フルカラーアニメーション映画『白蛇伝』を制作。蕗谷虹児は、それに先立つ日本初のフルカラー短編アニメーション『夢見童子』の監督・構成・アニメーターを務めたことで知られています。

 

第二次大戦後の日本アニメーション文化の立上げに大きな役割を果たした新潟出身でもある二人の名を冠した「大川=蕗谷賞」。若手を含むスタッフの直近の成果、また制作現場の幅広い職種での活躍にスポットを当て、 作り手の方々を顕彰することで、アニメーションの文化の発展・振興への貢献を目指すことにも注目が集まっています。

なぜ今の日本に国際アニメーション映画祭が必要なのか?

現在、アニメーションは日本を代表する文化となり、「アニメ」と呼ばれる日本の作品はいまや世界中のどこででも見ることができます。しかし、未来永劫アニメーション文化を維持するためには、文化価値の共有や作品への評価、人材やスタジオが持続する基盤を作る必要があります。

 

現在、アニメーション文化は、「商業」と「アート」、「国内」と「海外」、「専門家」と「大衆」に分断され、十分な力を発揮しているとは言えない現状があります。

 

それを打破する中心的な役割を担おうとするのが「新潟国際アニメーション映画祭」です。

新潟、アニメーション首都宣言!

19世紀、海外への窓口となる世界港をもつ新潟は、江戸を凌ぐ国際的な商業都市でした。また新潟は、多くの著名なマンガ家、アニメ・クリエーターを輩出し、2012年から10年間、「マンガとアニメを活用した街づくり構想」を実施、継続的なイベントとして「にいがたアニメ・マンガフェスティバル」(来場者約5万人)、1996年からは全国を対象に「にいがたマンガ大賞」も実施。

 

また、「新潟市マンガ・アニメ情報館」や、蔵書1万冊を誇るマンガ図書館「新潟市マンガの家」を運営、マンガ家志望者のための家賃補助施設「トキワ荘」、マンガ雑誌編集部と結んだ無料「ON LINE添削」を実施するなど、日本有数の熱烈なアニメ・マンガ都市でもあります。

 

そして21世紀、本映画祭に集結したエネルギーをグローバル・アニメーション創造へのマグマとし、新潟は世界のアニメーションの首都を目指そうというのです。

第1回新潟国際アニメーション映画祭コンペティション作品

●劇場版「ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデン」 

英題:Vampire in the Garden 

監督:牧原亮太郎 日本/2022 年/123 分

 

●Khamsa - the Well of Oblivion 

英題:Khamsa - the Well of Oblivion 

監督:Vynom アルジェリア/2022 年/77 分

 

●Knor

英題:Oink

監督:Mascha Halberstad オランダ/2022 年/72 分

 

●Le Petit Nicolas Qu'est-ce qu'on attend pour être heureux ? 

英題:Littile Nicolas Happy as can be

監督:Amandine Fredon, Benjamin Massoubre フランス/2022 年/86 分

 

●Myši patří do nebe

英題:Even Mice Belong in Heaven

監督:Denisa Grimmová & Jan Bubeníček チェコ、フランス、ポーランド、スロバキア/2021 年/88 分

 

●Opal

英題:Opal

監督:Alan Bidard マルティニーク、フランス/2021 年/85 分

 

●Saules Aveugles, Femme Endormie

英題:Blind Willow, Sleeping Woman

監督:Pierre Földes フランス、カナダ、オランダ、ルクセンブルク/2022 年/110 分

 

●Thee Wreckers 四つの悪夢

英題:Thee Wreckers Tetralogy

監督:Rosto オランダ、フランス、日本/2020 年/44 分

 

●Unicorn Wars

英題:Unicorn Wars

監督:Alberto Vázque スペイン、フランス、日本/2022 年/80 分

 

●When You Get To The Forest 

英題:When You Get To The Forest 

監督:Eric Power 米国/2021 年/73 分

[開催概要]

「第1回新潟国際アニメーション映画祭」

英語表記:Niigata International Animation Film Festival 

主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会 

企画制作:ユーロスペース+ジェンコ 

特別協力:新潟市、新潟日報社、新潟県商工会議所連合会、燕商工会議所

後援:外国映画輸入配給協会

協力:新潟大学、開志専門職大学、JAM 日本アニメ・マンガ専門学校

協賛:NSG グループ

会期:3 月 17 日(金)〜22 日(水) 毎年開催 

上映会場:新潟市⺠プラザ、開志専門職大学、T・ジョイ新潟万代、シネウィンド 

イベント会場:新潟日報メディアシップ、古町ルフル広場、新潟大学駅南キャンパスときめいと 

公式サイト:https://niaff.net