映画『Winny』新場面写真8点公開
2002年に金子勇が開発・公開したファイル共有ソフト「Winny」をめぐるネット史上最大の事件を描く映画『Winny』が、2023年3月公開。このたび、金子勇(東出昌大)とともに未来の技術者たちのために闘った弁護士・壇俊光(三浦貴大)らとの姿など、リアルな再現シーンが一挙に公開されました。
©2023 映画「Winny」製作委員会
公開された写真は合計8点。
膨大なメディアに追いかけられながらも、金子自身の潔白と未来の技術者のため、彼を支援する弁護団とともに裁判所に向かう様子や、金子の実姉や弁護士の壇など、生前の彼を知る人たちから「まるで憑依したよう」との声もあがった金子が“信用してない相手と向かい合う時の癖”であったと言う腕を組む仕草、プログラムを研究するために一心不乱にPCに向かう姿などが切り取られています。
本作の松本優作監督は、主演を務めた東出、三浦らキャストが見せた本気の取り組みに舌を巻いたとのこと。
「東出昌大さんや三浦貴大さんを初めとするキャストのひとりひとりが、役に対する取材を独自にされていました。東出さんに関しては、金子さんのお墓参りへ訪れて遺族の方ともお会いしているんです。それで、金子さんの遺品をお借りすることができました。例えば、東出さんが劇中でかけている眼鏡や腕時計も、金子さんが実際に使っていたものなんですよ。深く入っていって下さったおかげです」
また、撮影時を振り返り次のようなエピソードを披露してくれました。
「撮影の初日、金子さんのお姉様が現場へお見えになられたんですけど、東出さんの姿を見て号泣されたんです。当時のことを思い出されただけでなく、そこに魂が遷ったような瞬間があったんじゃないかと思って。その光景を見て『これでいいんだ』と感じました。
当時大問題となった「Winny」事件の真相
Winnyとは、金子勇(ハンドルネーム47)が開発したファイル共有ソフトで、インターネット上でつながった複数のパソコンでファイルを共有する分散ファイルシステムの技術を使用したもの。金子が電子掲示板サイト「2ちゃんねる」上で「Winny」を公開すると瞬く間にユーザーは増え、ピーク時は200万以上の人が使用していたと言われています。
当時ではあまり利用されていなかったP2P技術を発展させ、データをバケツリレー方式で転送するため、匿名性が非常に高いのが特徴。そのため、映画やゲーム、音楽などの著作物データが許可なく流通し、著作権侵害の温床と指摘されて問題に。
加えて、その特性を悪用したウイルスも流行。感染すると意図しないデータが流出してしまい、警察や自衛隊の内部資料、企業の顧客情報や個人所有のプライベートファイルなどが漏えいし、回収不能に。当時の安倍官房⻑官は会見を開き「情報漏洩を防ぐ最も確実な対策は、パソコンでWinnyを使わないことです」と呼びかける事態となりました。
次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑で2004年に逮捕。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、金子の逮捕報道を受け、急遽弁護を引き受けることになり弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまいます。しかし運命の糸が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展し…。
なぜ、一人の天才開発者が日本の国家組織に潰されてしまったのか?本作は、開発者の未来と権利を守るために、権力やメディアと戦った男たちの真実を基にした物語です。
映画『Winny』は2023年3月に全国公開されます。
[作品情報]
映画『Winny』
企画: 古橋智史 and pictures
原案: 朝日新聞 2020年3月8日記事 記者:渡辺淳基
プロデューサー:伊藤主税、藤井宏二、金山
監督・脚本:松本優作
撮影監督・脚本:岸建太朗
制作プロダクション:Libertas/制作協力:and pictures
出演:東出昌大、三浦貴大
配給:KDDI/ナカチカ
©2023 映画「Winny」製作委員会
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