佐藤未季「Dots and Spots」クリエーションバウマン東京にて
日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO(デザイナート トーキョー)2022」が、約300のクリエイターやブランドの参加を得て、東京表参道・外苑前、原宿・明治神宮前、渋谷、六本木、銀座のエリアをまたぐ65会場で、10月21日より30日まで開催中。スイスのファブリックメーカー、クリエーションバウマンの東京ショールームでは、デザイナー佐藤未季さんによるインスタレーション作品「Dots and Spots」が展示されています。
オランダで建築を学び、隈研吾建築都市設計事務所室長へ
佐藤さんは、大学院修了後、オランダ在住のイギリス人デザイナーPetra Blaisseの事務所に勤務し、カーテン等の建築と関わるファブリックデザインを担当。現在は、隈研吾建築都市設計事務所でファブリックデザイナー兼設計室長を務める傍ら、自身のTalking about Curtains(https://www.talkingaboutcurt ains.com/)を主催。建築デザインと密接に関わりつつ様々なスケールでファブリックを設計し、身体的にも感覚的にも快適なやわらかい環境デザインを目指して活動しています。
バウマンと組むのは今回が4度目。意匠よりも機能、美しさ、品質でアピールするデザインはインテリアスタイリストよりも建築家に好まれる傾向があります。
佐藤さん曰く、「ベルベッドカーテンというと重厚な舞台幕の印象が強いのではないか。クリエーションバウマンのVellingは、ビタミンカラーやパステルカラーなど多彩で、その可能性を広げている。例えば小学校のステージカーテンを色鮮やかなVellingで作ったら、子供たちはどんな演技や振舞をするだろう。そんな夢を描きながら今回のカーテンを考えた」
そんな作品は、ベルベットとフェルトの二重構造。ちょうどよい厚みが照明の影で水玉模様になり、ランダムな円のサイズとドレープの具合が、カーテンならではの動きと相まって時間の流れと物語性を浮かび上がらせているように思います。
近時は吸音のニーズが8割!
バウマンは、スイスに創業以来、136年もの間シンプルに建築に寄り添い空間をひきたて世界中の建築家やデザイナーに愛用され、「生活品質の向上」に貢献してきました。
とくにコロナ禍でさらに需要が高まったフレキシブルなオフィス環境において、吸音機能のニーズが高まっており、いまや国内でも8割は吸音性能をもったカーテンだそう。最新のカタログでもTOPに掲載されるまでになりました。8年ほど前、k/oデザインの押野見邦英さんによる洗足学園の練習室「シルバーマウンテン」を取材したとき、フレキシブルに残響性能と視覚効果を変えられるアイデアに舌を巻いた記憶が蘇りました。
(取材・写真[肖像写真を除く]・文:遠藤)
[会場]
クリエーションバウマン東京ショールーム
東京都港区南青山6-3-3
Tel:03-5778-9947
定休日:水曜・祝日
https://www.creationbaumann.com
@creationbaumannjapan