あの小島秀夫に「こんなMADでGODなクリエイターになりたい」と言わしめた“老獪”による執念の作品

特殊効果の神、フィル・ティペットの監督作『マッドゴッド』

「特殊効果の神」と呼ばれ、『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』など名作を生み出したフィル・ティペットの監督作『マッドゴッド』が、2022年12月2日(金)より全国順次公開。これについて、押井守や小島秀夫らがコメントを出しています。

『GANTZ』の漫画家の奥浩哉は、ティペットの本機を感じるとして次のようにコメントしています。

 

「ハリーハウゼンにつぐストップモーションの大家フィル・ティペット。スターウォーズを作った天才達の一人だけど、大天才も時代の流れ(3DCG)には敗れ去って行った。しかし、ストップモーションにおいては未だ比肩する者がいないくらい凄味がある」

 

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の映画監督・押井守は、次のように見る者に覚悟を迫ります。

 

「フィル・ティペットの執念が生み出した悪夢の世界

彼の頭蓋に宿った究極の妄想

それなりの覚悟をしてから鑑賞すべし」

 

『メタルギア』シリーズのゲームクリエイターの小島秀夫は、一種の憧れを込めたコメント。

 

「この世界観、デザイン、動き、絵作り、全てが堪らない!こんなにも狂っていながら、キュートでアート。“職人”から解放された“クリエイター”ティペットの生き様全てをコマ撮りする。これぞ、老獪と熟成によるカタルシス。僕もこんなMADでGODなクリエイターになりたい」

 

ラッパーでラジオパーソナリティのライムスター宇多丸は昨年話題となった『JUNK HEAD』と絡めて次のように語っています。

 

「30年を経てついに結晶した巨匠の個人的ビジョンは、堀貴秀のやはり驚異的個人作品である『JUNK HEAD』とも激しく共鳴する、奇想に満ちた暗黒地下世界ライドだった......まさに時空を超えたマジック!」

今回のコメント発表に合わせて新たな場面写真7点も公開に。

 

衝撃な光景を目撃したかのような見開かれた血眼や、鉄鋼のマスクをつけて殴り合う凶暴な獣、電気椅子に並んで座らされる巨人たち(右下の足元にいる小さな人物が主人公のアサシン)、毒々しい色合いの空間でトランプに興じるノミたちなど、地底ディストピアに待つ多様な世界観を垣間見ることができます。

©2021 Tippett Studio

本作品の製作開始は、今から約30年前。ティペットは、『ロボコップ 2』(90)の撮影後に『マッドゴッド』のアイデアを閃き、地道に製作を続けていましたが、『ジュラシック・パーク』(93)を転機にティペットの代名詞である手作りの視覚効果からCG映像へと業界は移行。「俺の仕事は絶滅した」と、プロジェクトは中断されました。

 

その20年後、ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが倉庫を掃除しているとき、奇跡的に当時のセットを発見!彼らの熱望によって企画が再始動します。新世代のアーティストや職人に教え、愛情込めた作品を蘇らせることとなりました。

 

さらに、クラウドファンディングで世界中のファンからの応援も。2021年シッチェス映画祭で上映されるや、「世紀の傑作 - IndieWire」「こんな映画はかつてなかった - Los Angeles Times」「映画美術界へのねじ曲がった賛辞 - Film Threat」「まさしく愛の結晶 – AIPT」と絶賛、狂喜乱舞を呼び覚ましました。

地獄の向こうには何があるのか──グロいディストピア映像85分!

人類最後の男に派遣され、地下深くの荒廃した暗黒世界に降りて行った孤高のアサシンは、無残な化け物たちの巣窟と化したこの世の終わりを目撃する──。

 

「天国よりも地獄に惹かれる」と語る天才ティペットの潜在意識から溢れ出したのは、かつて誰も見たことのない暗黒世界。孤高のアサシンが荒廃した地底に潜り、拷問された魂、老朽化した地下壕、うごめく不気味なクリーチャーたちのあいだを巡るグロテスクなその質感の全てに生命力と共感が宿ります。

 

『マッドゴッド』は、2022年12月2日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。

 

(資料提供:ロングライド)

[作品情報]

原題:MAD GOD

監督:フィル・ティペット 

出演:アレックス・コックス

2021 年/アメリカ/84 分/1.78:1/カラー/5.1ch

日本語字幕:高橋彩/PG12 

提供:キングレコード、ロングライド 

配給:ロングライド 

公式サイト:https://longride.jp/mad-god/