「ザ・シネマ メンバーズ セレクション」でゴダール作品9作品放送
先日2022年9月13日に自殺幇助でこの世を去ったフランス ヌーヴェルヴァーグの旗手、ジャン=リュック・ゴダール。数々の名作を残していますが、CSザ・シネマでは【ザ・シネマ メンバーズ セレクション】の9月と11月で計9作品が特集放送されます。
放送されるのは、9月26日(月)〜29日(木)放送のPART1では60年代の初期監督作4作品、11月25日(金)〜29日(火)放送のPART2では商業映画との決別を宣言する直前に制作された転換点となる2作と、商業映画に復帰した80年代を中心とした3作の計5作品です。
『女は女である』 放送日:9月26日(月) 6:00〜
ゴダールの伴侶でもあったアンナ・カリーナのコケティッシュな魅力満載で送る、ゴダール監督流コメディ。
パリの小さな本屋で働くエミールは、ストリッパーの彼女・アンジェラと同棲しています。ある日アンジェラが急に子供が欲しいと言い出したことから、いつもの喧嘩に発展。子供にも結婚にも意味を感じないご都合主義のエミールに対し、子供を生むと意地になったアンジェラは以前から彼女に色目を使っている下の部屋に住むアルフレッドに頼むと言い出し、心を決めてアルフレッドのもとへ行ってしまいます。
『女と男のいる舗道』 放送日:9月27日(火) 7:00〜
女優を夢見て娼婦へと転落していく女。ジャン=リュック・ゴダール監督のウィットが冴える悲劇の物語。
舞台女優を志すナナは、夢を叶えるため夫と子供を置き去りにして家出。夫の説得に応じずレコード店で働きながら自活しますが、やがて家賃を支払えなくなりアパートの鍵を取り上げられてしまうはめに。管理人室にこっそり侵入して鍵を取り返そうとするも失敗し、映画館に足を運んで『裁かれるゝジャンヌ』を見ながら涙を流す日々。生活に困窮したナナは、娼婦が立つ舗道で声を掛けてきた男に体を売ってしまいます。
『はなればなれに』 放送日:9月28日(水) 6:00〜
無垢な女と小悪党たち。男と女の三角関係をジャン=リュック・ゴダールがロマンティックに映し出す悲喜劇。
フランツとアルチュールは、推理小説マニアの親友同士。ある日2人は、北欧からパリに出てきたばかりの娘・オディールに一目惚れします。彼女は裕福な叔母の家に居候し、英会話学校に通っていました。奥手なオディールは女たらしなアルチュールに惹かれ、心優しいフランツは彼女をひたむきに愛します。ある日、フランツとアルチュールはオディールを巻き込み、彼女の叔母の家から大金を盗む計画を立てますが、事態は予期せぬ方向へと展開して──。
『恋人のいる時間』 放送日:9月29日(木) 6:00〜
愛人がいる人妻の24時間をとことん解剖。ジャン=リュック・ゴダールの遊び心があふれる映像コラージュ。
夫ピエールと子供と暮らす人妻シャルロットには、舞台俳優のロベールという恋人がいました。シャルロットは、夫が不在の昼下がりにロベールと逢引きし、離婚して同棲しようと持ちかけられますが、夫と恋人のどちらかだけを選びかねます。夫の夜の相手を務めた翌朝、シャルロットは地方へ出発するロベールから空港のホテルに呼び出されますが、その前に病院で診断を受け妊娠3ヵ月であることを知りますが、果たして夫と恋人のどちらの子なのか…。
『中国女』 放送日:11月25日(金)6:00〜
5人のパリの若者たちが夏休みに革命思想の学習に。ゴダールの新たな歩みの兆しとなった作品。
中華人民共和国で文化大革命が起きていた1967年夏のパリ。ソルボンヌ大学哲学科の女子大生・ヴェロニクをはじめとする若者5人は、親がバカンスで不在の間に集まって合宿を開始。「毛沢東語録」を読んだり北京のラジオ放送を聴くなど、連日学習を続けるうちに熱烈な毛沢東主義者となります。そんな中、過激化したヴェロニクが、ある文化人の暗殺を提案。メンバーの中からは反対意見が挙がり対立が生まれていきます…。
『ウイークエンド』 放送日:11月26日(土) 6:00〜
ブルジョア夫婦が週末のドライブに出かける、幻想と革命と悪夢が溶け合う一大絵巻。
パリに住むロランとコリンヌのブルジョワ夫婦は、田舎にある妻の実家へ向かうため週末に車で旅に出ます。共に愛人がいる2人は、死にかけているコリンヌの父から遺産を相続してからパートナーをどう殺害しようかと企んでいました。2人を乗せた車は都心部から郊外に出ますが交通渋滞に。まったく前に進めないイライラから人々は集団ヒステリー状態に陥り、2人は信じられない事件や事故に遭遇し
ていきます…。
『勝手に逃げろ/人生』 11月27日(日)6:00〜
ゴダール商業映画復帰作。男女3人の出会いと別れを瑞々しく描く“第2の処女作”。
ライターのドゥニーズはTVディレクターの恋人ポールに別れを切り出し、田舎暮らしを始めようと決意。住んでいた部屋を広告に出し、レマン湖のほとりを自転車で駆け抜けます。一方ポールは、別れた妻子と月に一度面会するだけの関係に虚しさを感じていたある日、娼婦イザベルに声を掛けられ客となります。イザベルは田舎から都会へ出て新しい生活を始めるため、偶然ドゥニーズの空き部屋を見つけます…。
『パッション(1982)』 11月28日(月)6:00〜
名作絵画を映像で再現。映画監督の情熱と苦悩をジャン=リュック・ゴダールが透明な映像美で魅せる野心作。
映画監督のジェルジーは、スイスの小さな村で『パッション』という題の映画を撮影中。その作品は、扮装したり裸になった俳優をカメラの前で静止させ、レンブラントやドラクロワの名画を再現するというもの。しかしジェルジーは、光の具合に納得がいかずNGを連発、やがて予算オーバーで製作中止の危機に陥ります。一方、撮影隊に宿を提供した工場主の妻と工場を不当解雇された女性従業員の間でジェルジーの心は揺れます…。
『右側に気をつけろ』 11月29日(火)6:00〜
理解するのではなく、ただ感じればいい。ジャン=リュック・ゴダールが贈る18景の詩的ファンタジー。
“白痴”と呼ばれる公爵殿下は、映画を1本作って夕方までに届ければ過去の罪を許されることになり、早速ドストエフスキーの「白痴」とフィルム缶を抱えて旅に出ます。搭乗した飛行機を操縦する提督とその妻は、殿下の作った映画を我が物にしようと画策。一方、ミュージシャン2人組は、新たな音楽を創造すべくスタジオで模索。自分を異星人ではないかと疑う男は、様々な姿に変身しながら行く先々で人々と対峙します…。
【ザ・シネマ メンバーズ セレクション】ジャン=リュック・ゴダール特集は、CSザ・シネマで9月と11月計9作品を特集放送。
(資料提供:ザ・シネマ)