『氷の微笑』『ショーガール』『エル ELLE』のヴァーホーベン監督最新作──実在の修道女の生涯描く

ポール・ヴァーホーベン最新作『ベネデッタ』は、衝撃の伝記映画…2023年2月公開

ポール・ヴァーホーベン監督の最新作にして衝撃の伝記映画“BENEDETTA”が『ベネデッタ』として2023年2月に公開されることがわかりました。

(c) 2020 SBS PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - FRANCE 3 CINÉMA
(c) 2020 SBS PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - FRANCE 3 CINÉMA

ベネデッタ・カルリーニは、17世紀にレズビアン主義で告発された実在の修道女。幼い頃から聖母マリアやキリストのビジョンを見続け、聖痕が浮かび上がりイエスの花嫁になったと報告して信者の注目を集め、⺠衆の支持を得て修道院⻑に就任した女性です。

 

この歴史上初のレズビアン裁判記録『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』(J.C.ブラウン著/1988 刊)を読み、ベネデッタの人物像に魅せられた巨匠・ヴァーホーベンは、魅力的で唯一無二のセクシュアル・サスペンスを作り上げました。

 

ヴァーホーベン監督は本作品制作に至った動機について、次のように語っています。

 

「ベネデッタの物語の独特な性質に惹かれたんだ。17世紀初めにレズビアンの裁判があったこと、裁判の記録や本書のセクシュアリティの描写がとても詳細なことにも感銘を受けた。そしてこの時代、女には何の価値もなく、男に性的喜びを与え、子供を産むだけの存在とみなされていたにもかかわらず、ベネデッタが手段はどうあれ、完全に男が支配する社会で、才能、幻視、狂言、嘘、創造性で登り詰め、本物の権力を手にした女性だった。私の映画の多くは女性が中心にいる。つまり、ベネデッタは『氷の微笑』『ショーガール』『ブラックブック』『エル ELLE』のヒロインたちの親戚というわけさ」

シャーロット・ランプリング「この映画に出演しない理由が見当たらない」

『氷の微笑』のシャロン・ストーン、『ショーガール』のジーナ・ガーション、『エル ELLE』のイザベル・ユペールなど、男性も女性も虜にしてきたヴァーホーベンの予測不能な女たち。そこに今回新たに加わったのが、フランスの国⺠的女優で、日本では『おとなの恋の測り方』、『エル ELLE』で知られるヴィルジニー・エフィラです。

 

彼女がベネデッタ・カルリーニを演じた『ベネデッタ』は、2021年第74回カンヌ国際映画祭で初上映され、大きな話題となりました。

 

他キャストも豪華な布陣で見所満載。

 

ヘルムート・ニュートンやフランソワ・オゾンのミューズから世界的大女優となったシャーロット・ランプリングは「この映画に出演しない理由が見当たらない」と、宗教をビジネスとしてしかとらえていない修道院⻑を底知れない無表情で好演。

 

歌手兼俳優として活動するフランスの大スター、ランベール・ウィルソンは、危険で威嚇的で欲にまみれた“悪党”の教皇大史を演じた。

 

ヒロインの相手役となるバルトロメアには、ギリシャの女優ダフネ・パタキアを抜擢。家庭内性暴力の被害者、そして聖女ベネデッタを破滅に導くきっかけとなるキーパーソンとして、真っ直ぐで大胆な演技を見せています。

17世紀イタリア・トスカーナに実在の修道女の生涯

作品の舞台は、17世紀のペシアの町(現在のイタリア・トスカーナ地方)。幼い頃から聖母マリアと対話し奇蹟を起こす少女とされていたベネデッタは、6歳で出家し、テアティノ修道院に入ります。純粋無垢なまま成人したベネデッタは、ある日、修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助けます。様々な心情が絡み合い、2人は秘密の関係を深めますが、同時期にベネデッタが聖痕を受けイエスに娶られたとみなされ新しい修道院長に就任したことで、周囲の波紋を呼ぶ。民衆には聖女と崇められ、ペシアでの権力を手にしたベネデッタでしたが、彼女に疑惑と嫉妬の目を向けた修道女の身に耐えがたい悲劇が起こる。そして、ペスト流行にベネデッタを糾弾する教皇大使の来訪が重なり、ペシアの町全体に更なる混乱と騒動が降りかかります...。

 

『ベネデッタ』は、2023年2月に公開。

[作品情報]『ベネデッタ』 2023年2月公開

原題:BENEDETTA

監督:ポール・ヴァーホーベン 脚本:デヴィッド・バーク、ポール・ヴァーホーベン 原案:ジュディス・C・ブラウン『ルネサンス修道女物語―聖と性のミクロストリア』 出演:ヴィルジニー・エフィラ、ダフネ・パタキア、シャーロット・ランプリング、ランベール・ウィルソン

 2021/フランス・オランダ/131 分/R18+

配給:クロックワークス 

https://klockworx-v.com/benedetta/

 

(c) 2020 SBS PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - FRANCE 3 CINÉMA

 

(資料提供:クロックワークス)