カッシーナ・イクスシー青山本店探訪のPart2。今回は3階を探訪してみましょう。
空間にアクセントを与えるイタリアのチェアの張り地は、またしても日本モチーフ
3階に上がると、ツルツル&テカテカした生地に幾何学模様のチェアに目を奪われます。イタリアのテキスタイルブランド、DEDAR(デダール)の張り地VOLVER(ボルべール)です。
本国の製品紹介ページを参照するとInspired by the Japanese traditionとあるので、竹かごあたりをイメージしたのかも知れません。
この張り地を施したチェアは、PHILIPPE HUREL(フィリップ・ユーレル)のチェアSIEGFRIED(ジークフリート)。
そしてこのセットのメインを張るのは、イクスシーのシステムソファのBIRD(バード)。大空に翼を広げたような佇まいで人気のシリーズですが、今回新たに緩やかなRを付けたバリエーションモジュールを追加。人が集まりながらも横並びに同じ方向を向いて同じことをしているのではなく、それぞれが別なことをしながらも自由に過ごす姿が想像できます。
多様性の時代を迎え、世代ごと家族ごとに趣味も過ごし方も違っていい。そんなことを訴えるかのようなシステムソファです。
なお、ラグはChristian Fischbacher(フィスバ)のFENN(フェン)。
テレワークにも好適 プロ向けもカッシーナで
3階のもうひとつの目玉は、Cassina PRO(カッシーナ・プロ)。ホスピタリティ分野やワークプレイス向け、すなわちオフィス用家具です。
アメリカではオフィス用家具には、BIFMA(物理的耐性)やグリーンガード(製品の揮発性物質による汚染)耐久性などの基準を満たした製品だけに認証が与えられます。もともとホームユースのソファやチェア、テーブルのうちでもそうした認証を取得した商品でコーディネートし、提案しているコーナーです。
写真から分かるように、ただ机や椅子を横並びにした“オフィス然”としたものではなく、社員相互がコミュニケーションを取りやすいよう、またモチベーションが上がりやすいように考え抜かれています。
そのため、基本はオープンスペースですが、ミーティングスペースや、集中できるスペースも必要です。そのパーテーション代わりに、シェルフやハイバックソファが重宝されているのです。
イクスシーのシステムベンチBOND(ボンド)。プランターもただグリーンを置くのではなく上質なコミュニケーションスペースとして生かそうという発想から生まれており、クッション材には複合ポリエステル繊維を使用することで環境にも配慮しています。
伝統的なシャルロット・ペリアンのデスクVENTAGLIO(ヴェンタリオ)や、テーブルMEXIQUE(メキシク)にも、USBを含む電源コンセントが目立たない場所に仕込まれています。
インテリアもリアル×バーチャルの相互活用の時代へ
カッシーナ青山の店内は、もちろん質感を確かめるために実際に触れて、座って居心地のよさを味わっていただきたいのですが、VIRTUAL TOURで店内の体験が可能です。店内はスタッフが丁寧に案内してくれますが、予め重点的に体験したい場所を絞り込んでおくのも手です。
カッシーナ青山の展示は、3ヶ月に1回変わります。以前観たアレはいまどこに…?といったことが起こりかねないからです。
また、今本格準備しているのがAR。スマートフォン上で展示商品の映像を家に試し置きできる仕組みで、自宅の間取りに合わせた購入体験も可能になる予定とのことです。
1階の雑貨コーナーでちょっとした掘り出し物を発見する楽しみも。最終的にはやっぱりリアル。ほかにはないグッズや香りに出会いに行きましょう。
(取材・写真・文:遠藤)