FLOS60周年展示、外苑前B&B Italiaで開催中

1962年創業のイタリアの照明ブランドFLOSが新製品をリリースし、その初披露展示と共に、FLOS60年の歴史を紐解くコーディネートを施した展示イベントを、B&B Italia Tokyo(東京・港区北青山2-5-8 青山OM-SQUARE 1、3F)で5月15日まで開催中です。

 

今回の新作は、昨年21年9月のミラノスーパーサローネでは発表済のものですが、日本では初展示。サローネの展示を発展させFLOSのディレクションにより、B&B Italia Tokyoのすべての照明を入れ換えて世界観を表現しています。

 

「PARENTESI 50」(パレンテジ50)はアキッレ・カスティリオーニとピオ・マンズーのデザイン。この2人、実際には会ったことはなく、PARENTESIが誕生する2年前の1969年にマンズーは30歳の若さで交通事故で他界しているそう。原画にカスティリオーニが幾多の修正を重ね、誕生したのがこのPARENTESIなのだそうです。

 

もうひとつの新製品「OPLIGHT(オプライト)」。ジャスパー・モリソンが常々掲げる哲学「スーパーノーマルデザイン」を反映した最新のウォールランプです。

 

手本としたのは、98年に自らデザインした「GLO-BALL(グローボール)」。その光を、LED基板を使った平たい器具で実現するのに、4年を費やしています。

 

この製品は、FLOSが企業として積極的に取り組むサスティナブル思想を反映している点でも注目です。接着剤不使用、塗装への溶剤不使用、リサイクル性の高いアルミダイキャスト製の本体、ポリカーボネート製ディフューザーはリサイクル可能なほか、これはFLOSとして初めて、修理時に器具本体を回収しなくてもネジ止めされたLED基盤の交換で簡単に対応できる工夫が施されています。

 

さすがだと思うのは、眩しさを軽減するための光学素子や光制御に向けた製品作りなど、「人の健康を中心とした開発」自体がサスティナビリティの一環だとFLOSは考えているという説明。こうした一貫した思想が、長年世界中で愛される理由なのだと思い知らされました。