1962年にミラノで創設され、建築と照明の関係性を重視したデザイナーによりイタリアの照明を主導してきたFLOSが新製品をリリースしました。
中国の伝統的な玩具の特徴である水平な砂時計の形にちなんで名付けられた「DIABOLO」は、イタリアデザイン界の巨匠アキッレ・カスティリオーニが98年にデザインした最後の作品で、約10年後に生産が中止されていたペンダントランプ。このたびデザインはそのままに、技術改良によりこのデザインの特徴である上下するメカニズムを再設計して復刻を果たしました。
シンプルな構造でありながら、円錐形のシェードを下げることにより2つの円錐形の間の距離が光の効果を変化させ、全長95cmで天井の高い空間を機能的に演出します。
「CHIARA」は、69年に世界的な建築家マリオ・ベリーニがデザインした、磨かれたステンレススチールのシートをカットして円筒状に巻いただけのシンプルで象徴的な作品を最先端技術で復刻。
光源はこの折り紙を丸めた円筒形の中にあり、光は修道女のウィンプルとヴェールを模した大きな帽子部分のシェードで反射・拡散される仕掛けになっています。
「BELL HOP F」は、ロンドンオリンピックのトーチのデザインしたことでも知られるエドワード・バーバーとジェイ・オズガビーが19年に発表した充電式テーブルスタンドの、フロアタイプ。
手触りの良い安定したコンクリートのベースにアルミニウムのボディ、そしてオパールガラスのディフューザーと、異なる素材を使いながら色の組み合わせによって互いの良さを引き立てるカラーバリエーションも魅力だ。
「COORDINATES C&W」は、アートと工業デザインの良さを兼ね備えた作品で人気のマイケル・アナスタシアデスの作。ニューヨークのフォーシーズンレストランのためにデザインした「COORDINATES」のペンダント照明とフロアスタンドは、今年の春に発売されていたが、このたびそのシーリンングタイプと、アートのように使用できるウォールタイプが登場しました。
デカルト格子からインスピレーションを得ており、シャンパンゴールドのアノダイズド処理されたアルミ押出材とオパールホワイトのプラスチックシリコンのデフューザーが緻密で繊細な印象を与えます。
「WIRELINE」は、デザインユニットのフォルマファンタズマが電源ケーブルを美的要素と捉え17年に発表した「WIRERING」の進化版。
細長いケーブルをベルトのように平らなラバーにし、LED搭載のガラスの灯体が光を拡散。天井高や設置スペースに応じて柔軟な設置が可能で、LED照明の可能性を最大限活かした革新的な設計は、住空間に自由で優雅な曲線を描く。
照明は、器具の形状だけでなく、光の拡がり方や影、質も重要です。81年創設の日本フロスが運営するショールームFLOS SPACE TOKYOが都営大江戸線の赤羽橋駅すぐ(東京都港区東麻布1-23-5 PMCビル8F、予約制TEL 03-3582-1468、営業時間11:00~17:00、土・日・祝日定休)。ぜひ寄ってみて下さい!